JST(理事長 北澤 宏一)は、全米科学財団(NSF)注1)と共同で「高度化センサー技術」に関する2件の日米の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)注2)「日本-米国研究交流」の一環として行われるものです。
支援決定した課題は次の通りです。
- (1) 「センシングとシミュレーションの統合によるインフラ防災情報生成手法の開発」
(研究代表者:慶應義塾大学 小國 健二 准教授、カリフォルニア大学 バークレー校 スティーブン・D・グレイサー 教授)
本課題は、都市全体に設置したセンサーネットワークにより、社会基盤構造物について地震などの入力と応答を検知、解析し、その健全性、損傷、余震にどの程度耐えられるかを把握するためのシステム構築を目指す研究です。 - (2) 「圧電素子・弾性波可視化統合技術による複合材料積層パネルの発見困難な衝撃損傷の検出」
(研究代表者:東京大学 武田 展雄 教授、アリゾナ大学 トリビクラム・クンヅ教授)
本課題は、航空機・宇宙機などの機体に用いられる大型複合材料積層パネルの損傷を、従来より少ないセンサーで検出し、損傷状態を検知・評価する新規なモニタリングシステムを開発する研究です。
今回の研究交流課題の募集では、5件の応募があり、これらの応募課題を日本側および米国側の外部専門家により評価しました。JSTとNSFはその結果をもとに協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日米ともに支援すべきと合意した2件を支援課題として決定しました。
- 注1) 全米科学財団(NSF:National Science Foundation)
- 1950年に「科学の進歩を促進するために」設立された、本部をバージニア州アーリントンにおく政府機関。年間予算60億米ドル弱で全米大学の基礎研究における政府機関支援の約20%を担っています。
- NSFホームページURL: http://www.nsf.gov/
- 注2) 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
- 政府間合意に基づき、文部科学省が特に重要なものとして設定した協力対象国・分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
- 支援期間は原則3年、支援規模は1課題あたり原則総額1500万円/3年を上限とします(間接経費を含む)。
- 戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL: https://www.jst.go.jp/inter/index.html
<添付資料>
別紙: 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-米国研究交流」平成22年度採択課題一覧
参考: 戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)「日本-米国研究交流」平成22年度採択に関して
<お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当:屠 耿(ト コウ)、長谷川 貴之(ハセガワ タカユキ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
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