科学技術振興機構報 第73号
平成16年5月26日
埼玉県川口市本町4-1-8
独立行政法人 科学技術振興機構
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL:http://www.jst.go.jp/

下水汚泥酸発酵システムの開発に成功

 独立行政法人科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)は、委託開発事業の開発課題「下水汚泥酸発酵システム」の開発結果を、このほど成功と認定しました。
 本課題は、広島大学教授の西尾尚道氏の研究成果を基に、平成14年3月から平成16年3月にかけてJFEエンジニアリング株式会社(代表取締役社長 土手重治、本社 東京都千代田区、資本金10,000百万円)に委託して実用化開発(開発費約19百万円)を進めていたものです。
(開発の背景)
 国内では、毎年190万トン近い下水汚泥が発生し、さらに増加の傾向にあります。汚泥はメタン発酵、焼却処理、建築資材への転換等により減量化・有効資源化が行われてきましたが、現状ではまだ、建設費、維持管理費等の問題が大きく、また、最終的な汚泥の埋立地も不足しています。このため、汚泥減量化と資源回収に寄与する、シンプルなシステムが要望されていました。
(開発の内容)
 本新技術は、濃縮汚泥に一定の嫌気的条件下で、超音波照射及びアルカリ添加を行い、有機物の可溶化を促進し、酸発酵させるもので、数日間で有機分を可溶化・低分子化できます。また、本システムの副産物として得られる有機酸を資源として有効利用するものです。
(開発の効果)
 本システムで得られる有機酸を高度処理(窒素除去)の栄養源としてリサイクル活用することができ、汚泥の最終処分量を減らすことができます。本新技術は、今後の下水処理設備の高度化、高効率化において広く用いられることが期待されます。
本新技術の背景、内容、効果の詳細
図1 酸発酵による下水汚泥減容・有機酸変換処理システム
図2 実証試験装置 (酸発酵槽5m3
開発を終了した課題の評価

なお、本件についての問い合わせは以下のとおりです。
独立行政法人科学技術振興機構 開発部開発推進課
菊地博道、高野 晃(電話:03-5214-8995)

JFEエンジニアリング株式会社 エンジニアリング研究所 水システム研究部
副部長 局 俊明(電話:044-322-6266)
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