1. |
ヒトの場合、各人がもっているゲノム(DNA)は、それぞれ0.1%ずつ異なっており、これらの一部が各個人の遺伝的特性を決定している。中でも、DNA上の一箇所(塩基)の違いである一塩基多型(SNP)は、ヒトゲノム上最も数が多く、また、最も単純であることから、薬剤に対する効果・副作用や生活習慣病などの多くの疾患との関連性を解析するための有用な道具と考えられている。SNPを利用した研究は、オーダーメイド医療実現のための有効な方策である。
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2. |
我が国のSNP解析能力は、世界最高水準(速さ・正確さ)であり、世界有数のSNP解析データベースを保有している(現在約20万箇所のSNPを遺伝子領域で特定、すでに約17万SNPのアレル頻度情報を保持)。他方、ヒトが有するSNP総数は、数百万とも推定され、これら全てを対象として解析を進めることは、オーダーメイド医療実現のために効率的ではない。
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3. |
SNPについては、ゲノム上で近傍に位置するものは一つのブロック(ハプロタイプ)で受け継がれていくことが明らかにされている。このため、個々のSNPを解析するのではなく、ブロック単位で遺伝子型を解析していくことにより全体の遺伝子型を効率的に把握することが可能となっている。
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4. |
ハプロタイプ解析には、多くの時間と高い解析能力が必要であり、これらのために能力を有する機関が協力して取り組むことが重要である。 |