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研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)

平成14年度実施課題 事後評価報告書



平成16年4月
研究成果最適移転事業 成果育成プログラムB(独創モデル化)評価委員会


5. 評価結果
(2)研究開発課題の個別評価
 16 ハイブリッド卓上電極加工装置による型彫放電加工システムの開発(H14-0079)

企業名 :池上精工株式会社
研究者(研究機関名) :大森 整(理化学研究所 素形材工学研究室 主任研究員)

1 ) モデル化の概要および成果
 本モデル化では、エアー静圧式とヘリンボーン動圧式※※を融合した軸受け構造を持つ毎分20万回転超のハイブリッドスピンドルを搭載し、型彫放電加工と併用して使用可能なテーブルトップ型4軸ヘリカル制御が可能な型彫放電加工機用電極加工装置の開発を行った。
 さらにセル生産化という視点から、卓上加工機であるモデル機と従来型の型彫放電加工機との複合化を図る。本課題で先端加工技術とセル生産方式を融合することで、加工の効率化、異種技術の融合化を狙いとする。
 本モデル機により、3次元形状の型彫放電加工用銅電極の加工テストを実施。加工速度及び加工形状精度の検証を実施した結果、加工時間及び形状加工精度ともに当初の目標を達成し十分実用化レベルであると考えられる。今後は4自由度の軸構成を十分に活用した複雑で特殊形状の加工テストを実施する。
 モデル化の結果から、本モデルのような小型機でも高速切削や電解インプロセスドレッシング法(ELID)研削技術などの低負荷加工の分野においては、高精度な加工が実践できることが分かった。これは、機械本体の卓上化に伴う各駆動軸の軽量化により、制御装置の指令に対しての応答性が向上することが大きなファクターであると考えられ、幅広い産業分野への卓上加工機の応用を目指す。
※ エアー静圧式軸受:空気圧で軸を浮かせる軸受
※※ヘリンボーン動圧式軸受:軸と軸受のV字型の溝に流体を満たし、軸の回転による動圧によって軸を浮かせる軸

2 ) 事後評価
モデル化目標の達成度
 各開発項目とも十分実用化のレベルに達した。今後はより高回転化、長時間連続運転による耐久性の検証が残っている。
知的財産権等の発生
 将来は装置の意匠申請は可能と思われる。
企業化開発の可能性
 毎分20万回転が達成できれば、企業化の可能性は十分ある。
新産業、新事業創出の期待度
 幅広い分野への活用が考えられるが、装置のコストパフォーマンスがキーとなる。
3 ) 評価のまとめ
 目標がほぼ達成され、企業化の段階に入っている。各開発項目とも十分実用化のレベルに達した。今後はより高回転化、長時間連続運転による耐久性の検証が残っている。


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This page updated on May 19, 2004

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