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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
  「日本-英国(BBSRC)研究交流」平成20年度採択課題一覧

研究交流課題 日本側
研究代表者
所属・役職 研究交流課題概要
英国側
研究代表者
1 高速定量的免疫染色手法と1細胞レベルのシグナル伝達ネットワークの確率的モデル化手法開発 黒田 真也 東京大学 大学院理学系研究科 生物化学専攻 教授  本研究交流では、モデル化に必要な大量の実験データを得るために、高速定量的自動免疫染色手法を開発する。この手法を用いて1細胞レベルでの各種シグナル分子活性の分布時間発展データを高速かつ大量に採取し、従来の解析対象である平均値に加えて、分散とそれ以上の高次モーメントを解析対象とした解析を行う。そのために、1細胞レベルの分子活性の分布時間発展を記述する確率微分方程式モデルで記述して、モデル化する。これらの手法を用いてPC12細胞におけるERK経路やAkt経路の特性を解明する。
Michael STUMPF
(マイケル・スタンプ)
インペリアル大学 ロンドン分子生物科学部 教授
2 生細胞内のタンパク質間相互作用を検出する技術革新と解析 小澤 岳昌 東京大学 大学院理学研究科 教授  本研究交流では、レポーターたんぱく質の再構成法および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法を応用し、生体内でのたんぱく質間相互作用を非侵襲的に長時間連続イメージングする技術を開発することを目的とする。具体的には、NF-kBシグナル伝達をターゲットとして、そのシグナル伝達に関わるたんぱく質間相互作用と転写因子の発現をモニターし、得られたデータを理解するための数理解析モデルを提唱する。
Michael WHITE
(マイケル・ホワイト)
リバプール大学 生物科学部 教授
3 From text to pathways: text mining techniques for reconstructing signalling pathways 北野 宏明 システム・バイオロジー研究機構 会長  システムバイオロジー研究において、生化学反応を記述するパスウェイの作成、解析は重要な研究手段であるが、パスウェイの作成では、常にモデル開発やCuration作業において、適切な論文を抽出し、迅速に最新の知見をモデルに反映する必要がある。
 本研究交流では、UKマンチェスター大学と東京大学で進められているテキストマイニング技術と、SBIが開発中のパスウェイ作成共有技術を融合させ、システムバイオロジー研究者が利用できるプラットフォーム構築を目指す。
Ananiadou SOPHIA
(アナニアドゥー・ソフィア)
マンチェスター大学 計算機科学部 テキスト・マイニング 助教授
4 微生物システムバイオロジーに関する英国-日本共同研究プロジェクト 清水 和幸 九州工業大学 大学院情報工学研究院 生命情報工学研究系 教授  最近では、さまざまなレベルのオミックス情報が蓄積されてきているが、細胞の機能解析を行うにはこれらの情報を統合的に解析する必要がある。そのために、本研究交流では、年1回のペースで日本と英国で相互にワークショップを開催し、意見交換を行う。また、英国側でStereptmycesおよびMycobacteriumについて得られた情報をもとに、日本側では13C同位体を利用したフラックス解析法および結合的代謝制御解析法を検討し、大腸菌の統合的代謝解析とモデリングやシミュレーションについて解析する。さらに、サリー大学、エジンバラ大学、オックスフォード大学、九州工業大学、奈良先端科学技術大学院大学、慶應義塾大学の間で研究者の相互派遣を行い、実質的な共同研究を行う。とりわけ、奈良先端科学技術大学院大学で開発した欠損株のリソースを提供する。
Johnjoe McFadden
(ジョンジョー・マクファッデン)
サリー大学 生命医科学部 教授