MOSTとの覚書は、平成19年12月28日に北京において署名された「日本国政府と中華人民共和国政府による気候変動問題を対象とした科学技術協力の一層の強化に関する共同声明」を踏まえ、戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-中国研究交流」注3)において文部科学省が設定した「気候変動」分野の研究交流を実施することを目的としています。
この覚書では、日中政府間で合意した研究交流分野における協力推進の方針に基づき、JSTと中国科学技術部国際合作司双方が合意の上で研究交流課題を採択することなどが取り決められています。
一方、BBSRCとの覚書は、文部科学省と英国イノベーション・大学・技能省との間で平成20年5月に行われた協議により、日英両国が新たに「システムバイオロジー」および「先端材料」分野における科学技術協力を推進することで合意したことを受け、JSTとBBSRCが戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-英国研究交流」注4)において文部科学省が設定した「システムバイオロジー」分野の研究交流を実施することを目的としています。
この覚書では、日英政府間で合意した研究交流分野における協力推進の方針に基づき、JSTとBBSRC双方が合意の上で研究交流課題を採択すること、共同でのセミナーやシンポジウムの開催および研究者交流を行うこと、双方が対等な立場で協力を実施することなどが取り決められています。
今後、JSTと中国科学技術部国際合作司、JSTとBBSRCが協議し、研究交流課題の公募時期などについて決定します。
JSTでは、平成15年度から「戦略的国際科学技術協力推進事業」として、政府間合意などに基づき、文部科学省が特に重要なものとして設定した協力対象国・分野における日本と他国の研究者との間の活発な研究交流を推進しています。これにより、日本の科学技術のさらなる発展に貢献しており、欧米やアジア、アフリカにおける12ヵ国との間で研究交流を支援しています。
注1) 中国科学技術部(MOST)
昭和52年に設立された中国の科学技術担当省。基礎研究、科学技術成果の普及・産業化のみならず、ハイテク産業開発区の管理、先進国からの技術移転まで広範な業務を実施。その中で研究活動についての資金の配分を行っています。国際合作司は、科学技術部の中の国際協力を担当する局です。
注2) 英国バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)
生命科学の研究のために、昭和19年にノリッジに設立されたイギリスの公的機関です。対象としているのは、農業、食物、化学物質、ヘルスケア、医薬品部門となっています。
注3) 戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-中国研究交流」
平成15年2月に東京で開催された第10回日中科学技術協力委員会の結果を踏まえ、文部科学省が戦略的国際科学技術協力推進事業における中国との協力分野を「環境保全及び環境低負荷型社会の構築のための科学技術」分野に設定。それを受け、JSTが中国国家自然科学基金委員会(NSFC)との間で平成16年度から毎年、研究交流課題の募集を実施しています。また、MOSTとの間でも平成19年度から同分野における研究交流課題の募集を実施しています。
そして、本文で述べたように今回、文部科学省が新たに中国との本事業における協力分野を「気候変動」に設定したことを受け、JSTがMOSTとの間で覚書を締結し、研究交流課題の募集を実施することになりました。
注4) 戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-英国研究交流」
平成16年2月に東京で開催された第5回日英科学技術協力合同委員会の科学技術協力の推進に関する両国間の議論を踏まえ、文部科学省が戦略的国際科学技術協力推進事業における英国との協力分野を「バイオナノテクノロジー」分野に設定。さらに平成18年8月には、「構造ゲノミクス及びプロテオミクス」が協力分野として追加されました。それを受け、JSTがBBSRCとの間で平成16~18年度にわたり研究交流課題の募集を実施しました。
その後、本文で述べたように文部科学省が新たに英国との本事業における協力分野を「システムバイオロジー」および「先端材料」分野に設定したことを受け、平成20年度からJSTが英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)との間で「先端材料」分野における研究交流課題の募集を行っており、今回、新たにBBSRCとの間で「システムバイオロジー」分野における研究交流課題の募集を実施することになりました。
<お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構 国際部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
担当: 日本-中国研究交流
愛宕 隆治(アタゴ タカハル)、田中 哲治(タナカ テツジ)
日本-英国研究交流
愛宕 隆治(アタゴ タカハル)、金子 恵美(カネコ エミ)
Tel: 03-5214-7375 Fax: 03-5214-7379
E-mail: 日本-中国研究交流
日本-英国研究交流