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別紙

平成20年度「日本-韓国研究交流」採択課題

課題名 日本側研究代表者 課題概要
韓国側研究代表者
1 消化管疾患を標的とした基礎研究 審良 静男
(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 拠点長・教授)
 本研究交流は小腸や大腸における炎症やがんの発症要因を明らかにすることを目的とする。
 具体的には、日本側の自然免疫による病原体認識機構とその活性化メカニズムについての知見と、韓国側の粘膜の免疫応答についての知見を組み合わせ、自然免疫や粘膜免疫がどのように小腸や大腸における炎症やがんの発症に関わっているかを明らかにする。
 日韓が本研究交流を通じて相互的に取り組むことで、腸炎や大腸がんに対するワクチンや治療薬を開発するための新戦略の創出に寄与することが期待される。
Kweon Mi-Na
(国際ワクチン研究所 部長)
2 peptidyl-prolyl cis-trans isomerase Pin1 を用いたRunx2翻訳後修飾による骨量調節 小守 壽文
(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授)
 本研究交流は骨形成に必須な転写因子であるRunx2をPin1によって翻訳後修飾することの重要性を明らかにすることを目的とする。
 具体的には、韓国側のRunx2についての細胞生物学・分子生物学的研究の知見と、日本側のRunx2についての動物実験に関する知見を組み合わせ、骨形成におけるPin1の役割を明らかにする。
 日韓が本研究交流を通じて相互的に取り組むことで、骨粗鬆症や骨折の新たな治療薬の開発に寄与することが期待される。
Ryoo Hyun-Mo
(ソウル大学校 教授)
3 Toll 様受容体による菌体膜脂質認識における構造と機能の相関 三宅 健介
(東京大学 医科学研究所 教授)
 本研究交流は多くの疾患に関与しているエンドトキシン(LPS)が、そのセンサーであるToll-like receptor 4/MD-2 によって認識される際の構造と機能の相関について解析を進めることを目的とする。
 具体的には、日本側のToll 様受容体(TLR)による病原体認識機構の機能的解析に関する知見と、韓国側のLPS応答に関与する受容体の構造学的解析に関する知見を組み合わせ、LPSの微細な構造の差異をToll-like receptor 4/MD-2がいかに認識しているかを明らかにする。
 日韓が本研究交流を通じて相互的に取り組むことで、LPSが関係する感染症やエンドキシンショックの病態解明に貢献し、さらにワクチンの開発・改良に貢献することが期待される。
Lee Jie-Oh
(韓国科学技術院 准教授)