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別紙

「子ども科学技術白書」(学年版/年度版)概要

1.目的

 「子ども科学技術白書」は、子どもたちの科学技術に対する興味・関心を高めることを目的としています。

2.内容

 科学技術創造立国の実現に向けた文部科学省の「科学技術関係人材養成総合プラン」の一環として、JSTは科学技術・理科教育のための革新的なデジタル教材を開発し、これを「理科ねっとわーく」として全国の小中高校などに対し、インターネットを通じて無償で提供しています。
 今回発行する「子ども科学技術白書」は、「理科ねっとわーく」素材を活用してJSTが製作しました。理科に関する身近な疑問や最先端の科学技術について、親しみやすいキャラクターを用いて解説し、クイズやコラムを加えることで理科の知識の定着に加えて、一歩踏み込んだ学習もできるようになっています。そのほか、休み時間や朝読書の時間といった短い時間でも読み切れるように内容を区切り、1話ずつの完結としたり、身近なものを利用した実験紹介も掲載するなど、子どもの興味を引き、先生も活用しやすい工夫が随所に施されています。

(1)子ども科学技術白書(学年版 =3・4・5・6年生版=)
1 タイトル:理科ワールド探検隊
2 対象:小学生以上
3 形式:B5版、カラー、各学年版とも100頁前後
4 構成/内容
・読みやすいまんが形式で、親しみやすいキャラクターが理科に関する身近な疑問の謎解きをしていく。
・簡単にできる実験・観察・工作やクイズを掲載。
・教科書では扱われないような、発展的な内容も分かりやすく紹介。
・休み時間、朝読書の時間、放課後など短い時間で読み切れるように1話の分量を16ページ程度としている。また、各話は小学校理科の学習指導要領中項目に対応させている。
・JSTデジタル教材提供サイト「理科ねっとわーく」の素材などを活用。さらに学びたい子どもたちには、「理科ねっとわーく」にアクセスし、より多くの素材に触れて自習できる工夫を設けている。
5 その他
 各学年版を45,000部ずつ製作し、平成20年7月1日より順次、全国の公立小学校に無償配布予定。

(2)子ども科学技術白書(年度版)
1 タイトル:指令!地球温暖化を調査せよ
2 対象:小学生以上
3 形式:B5版、カラー、64ページ
4 構成/内容
・その年の大きな研究成果や話題となった出来事を掲載。今年度は、まんがを通じてIPCC(Intergovernment Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)により明らかにされた地球温暖化に関する科学的内容を小学生向けに分かりやすく解説している。
・JSTデジタル教材提供サイト「理科ねっとわーく」の素材などを活用。
5 その他
 60,000部製作し、平成20年7月1日より順次、全国の公立小学校、図書館などに無償配布予定。

3.期待される効果

 JSTは昨年度(平成19年度)、「子ども科学技術白書」発行にあたって試行版を作成し、全国8県15校で小学生(1,774人)を対象にアンケート調査を行いました。その結果、試行版を読んだ児童(1,351人)の83%が「ほとんどが面白い」または「面白いところが多い」と回答し(図1)、86%が「以前より理科が好きになった」と回答(図2)しました。この結果からも、同白書は児童の理科に対する興味・関心を高める効果が大いに期待されます。

図1 面白く興味を引く内容でしたか

図1 アンケート調査結果(1)

「子ども科学技術白書」試行版は、面白く興味を引く内容であったか
図2 読んで理科が好きになりましたか

図2 アンケート調査結果(2)

「子ども科学技術白書」試行版を読んで理科が好きになったか