開発を終了した課題の評価
課題名 | 「ウォーターミスト厨房用自動消火ユニット」 | ||||
所有者 | 伊藤 昭彦、株式会社初田製作所、株式会社オーラテック | ||||
研究者 | 弘前大学大学院教授 伊藤 昭彦 | ||||
委託企業 | 株式会社初田製作所 | ||||
開発費 | 約8,200万円 | ||||
開発期間 | 平成16年10月~平成19年10月 | ||||
評価 |
本新技術は、厨房天ぷら油火災の消火用に、噴霧水を用いた自動消火ユニットを実用化するものである。ホテル、レストランなどは自動消火装置の設置が義務付けられているが、現在使用中の消火剤は炭酸カリウムなどを混合した強化液が主であり、消火後に厨房や食品を汚染することから、速やかな業務再開ができない問題があった。また従来の水スプレー式消火装置は、噴霧水の粒子径が大きいため消火効果が低く、また高温油の飛散の危険があるため適用できなかった。 本新技術は、加圧容器に蓄積した消火水を、天ぷら油火災部の周囲から噴霧状に供給する簡易消火ユニットを提供するもので、通常のスプレー式消火装置より粒子径が一桁小さく(平均100ミクロン以下)、また噴射速度も低くなるようにノズル構造を考案した。またノズルの配置・噴射方向は、火炎の攪拌防止、酸素供給遮断、火炎冷却の総合効果を高めるように設定した。 厨房フード下の直径600mmの中華鍋上の油火災モデルに対し消火実験を行った結果、フード内温度センサが火災を検知し自動的に水噴霧を開始した後、設定した30秒以内(平均26秒)で消火され、再燃も生じないことが確認された。 本消火ユニットは、消防設備の性能評定試験のための技術要件も整っていることから、性能評定受領後に、業務用や家庭用の厨房設備向けの安全性の高い自動消火ユニットとして広く用いられることが期待される。 | ||||
評価者 | 独創的シーズ展開事業 委託開発
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評価日 | 平成20年1月23日 |