1.概要
JST(理事長 北澤宏一)は、文部科学省の方針に基づき、戦略的創造研究推進事業において多能性幹細胞(iPS細胞)研究の一層の推進を図っていきます。
具体的には、JSTとして、再生医療に結びつく多能性幹細胞(iPS細胞)研究の一層の促進を図るため、戦略的創造研究推進事業の中に「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」を設けて取り組んでいくこととします。
2.経緯
(1)京都大学 山中伸弥 教授によりヒト皮膚細胞からES細胞と遜色のない分化能を有する多能性幹細胞(iPS細胞)が作られ、再生医療に新たな展開が期待されています。
(2)JSTの戦略的創造研究推進事業では、チーム型研究(CREST)の「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域の中で、京都大学 山中伸弥 教授を研究代表者とする研究課題「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」が進められてきて、この研究等において上記(1)の研究成果が得られてきています。
(3)この分野の研究の重要性を踏まえ、本日、文部科学省から「iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略」が提示されました。
(4)JSTは、文部科学省と連携をとりつつ、既に本年度から、本分野の研究活動の迅速な展開のための緊急支援の対応をとってきております。具体的には、
山中チームの研究活動の強化支援
京都地区における山中チームの新たな研究スペースの確保
京都大学の関連する知的財産の活動を支援するための専門家の派遣
特別シンポジウム「多能性幹細胞研究のインパクト-iPS細胞研究の今後-」の開催
などを進めています。




(5)今般、上記(3)の文部科学省の方針に基づき、戦略的創造研究推進事業の中に、新たに「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」を立ち上げて、本分野の研究の一層の促進を図っていくこととしました。
3.「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」の内容
(1)「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」は、次の3つの柱から構成します。
京都大学 山中伸弥 教授を研究の中心とした「山中iPS細胞特別プロジェクト」]
チーム型の研究推進制度の「新CREST」
若手等の個人研究者の集団による研究推進制度「新さきがけ」



(2)これら3つの柱の相互間の連携を緊密に図りながら、全体を一体として推進していくこととします(参考図)。また、このプログラムの中で、研究推進に伴う知的財産の確保の支援、国際シンポジウムの開催等にも取り組んでいきます。
(3)上記
の京都大学 山中伸弥 教授を研究の中心とした「山中iPS細胞特別プロジェクト」は、上記2.(2)の現行のCRESTの山中伸弥 教授を研究代表とする研究活動に発展的に繋げることができるように、平成20年度中に立ち上げていくこととします。
上記
のチーム型の研究推進制度の「新CREST」と上記
の若手等の個人研究者の集団による研究推進制度「新さきがけ」については、新規に平成20年のできるだけ早い段階で立ち上げていくこととします。

上記


(4)現在進行中の戦略的創造研究推進事業における再生・分化関係の研究については、本プログラムと緊密に連携をとりつつ推進していくこととします。
4.今後の進め方
JSTは、文部科学省から本分野の戦略目標の提示を受け次第、「新CREST」と「新さきがけ」について研究領域等を定めた上で、平成20年1月中に研究課題の公募を開始する予定です。
(参考図)

<お問い合わせ先>
科学技術振興機構 戦略的創造事業本部 研究企画調整部
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星 潤一(ほし じゅんいち)
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