JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第446号 > 図3
<参考図>
図3 PI(3,4,5)P3依存的な紡錘体の方向制御のモデル図

図3 PI(3,4,5)P3依存的な紡錘体の方向制御のモデル図

正常な分裂細胞では、PI(3,4,5)P3が細胞中央表層に局在しており、ダイニン・ダイナクチン複合体が細胞中央表層に集まります。その結果、細胞表層から紡錘体を引っ張る力が細胞中央領域で平衡化するため、紡錘体は基質面に対して平行に配置されます(図3左)。PI(3,4,5)P3の量が低下すると、ダイナクチンはアクチン骨格依存的に細胞表層に存在しますが、PI(3,4,5)P3がないために細胞表層全域に分散します(図3中央)。PI(3,4,5)P3が過剰になるとPI(3,4,5)P3が細胞表層全域に広がるため、この場合もダイナクチンは細胞表層全域に分散します(図3右)。どちらの場合も、ダイニン・ダイナクチン複合体のモーター活性によってz軸に沿った紡錘体の回転運動が起こり、その結果、紡錘体が傾きます。