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<用語解説>

注1) PPARγ:
ぺルソキソーム増殖剤応答性受容体(Peroxisome Proliferator-activated Receptor gamma)の略。核内レセプターの一種でDNAに直接結合しmRNAの発現を制御する転写因子。2型糖尿病改善薬であるチアゾリジン誘導体や、プロスタグランジン代謝産物と直接結合することで機能を発揮し、脂肪細胞・マクロファージ分化、糖代謝制御等を制御する。

注2) 間葉系幹細胞:
全能性幹細胞(ES細胞)とは異なり個体発生はできないが、脂肪や骨、筋肉などを構成する多数の細胞に分化できる幹細胞の一種。骨髄中に多く存在する。

注3) NLK:
Nemo-Like-Kinaseの略。まず自身がリン酸基付加されることで活性化状態となり、標的たんぱく質のセリンまたはスレオニン残基をリン酸基付加することで各種シグナル活性を制御している。

注4) SETDB1:
SET domain bisulfated 1の略。ヒストンメチル化酵素の一種で、ヒストンH3の9番目のリジンをメチル化することが知られている。他のヒストンメチル化酵素と異なり、メチル化酵素領域(SET領域)が二つに分割されている。

注5) クロマチン構造:
核に存在するゲノムDNAがヒストン八量体(H2A,2B,3,4)に巻き付いたヌクレオソームを基本単位とする染色体の高次構造。

注6) 2型糖尿病:
インスリン分泌量の低下やインスリン作用の不足によって血糖が上昇した状態。近年、食生活の欧米化により日本でも増加している。