I.事業概要
【趣旨】
本事業は、平成16年度から新たに開始された事業で、最先端の研究ニーズに応えるため、将来の創造的・独創的な研究開発に資する先端計測分析技術・機器及びその周辺システムの開発を推進します。なお、平成19年度より、主に研究現場で使われる機器に関する開発領域(一般領域)に加え、研究現場のみならず応用現場(ものづくり現場)での将来の活用が想定される機器に関する開発領域(応用領域)についても、新たに開発課題を公募しています。
【概要】
1.機器開発プログラム
産と学・官の各機関が密接に連携して開発チームを編成し、チームリーダーの強力なリーダーシップのもと、要素技術開発から応用開発、プロトタイプによる実証までを一貫して実施することによって、最先端の研究ニーズに応えられるような計測分析・機器及びその周辺システムの開発を行うことを目的としています。
2.要素技術プログラム
計測分析機器の性能を飛躍的に向上させることが期待される新規性のある独創的な要素技術の開発を行うことを目的としています。
【公募対象となった開発課題】
1.機器開発プログラム
(1)「領域特定型」:以下に示す3つの開発領域についての開発課題
 【一般領域】人体内の臓器、病態、脳の高次機能などの無・低侵襲リアルタイム高解像度3次元観察、及び人体中の物質の無・低侵襲定量分析
 【応用領域】リアルタイム・ハイスループット観察、リアルタイム制御、又はものづくり環境適応可能な計測分析システム
 【応用領域】機能発現・作動状態下におけるマクロからミクロレベルのダイナミック計測
(2)「領域非特定型」:上記の開発領域に含まれず、かつ開発成果である計測分析機器がより大きな波及効果を生み出すと期待される開発課題
2.要素技術プログラム
計測分析機器の性能を飛躍的に向上させることが期待される、新規性・独創性のある要素技術に関する開発課題として、以下の(1) ~ 、(2)又は(3)に関するものを公募。
(1)以下の  から  を対象にし、かつ、計測分析機器の分解能、精度、感度、処理速度、長期安定性、耐環境性などの性能又は操作性を飛躍的に向上させるもの。
 【試薬】機能物質、生体物質、標識、触媒、溶媒、ガス
 【線源】光源、音源、電子銃、イオン銃、量子ビーム銃
 【光学系】レンズ、分光器、反射鏡、スリット、走査コイル
 【試料部】試料保持部、試料導入部、試料採取部、試料移送部
 【分離部】カラム、電場、磁場
 【検出部】検出器、カメラ、探針、電極、その他のセンサー
 【標準品】標準物質、標準試料、標準試薬
 【ソフト】ソフトウェア、インターフェイス
 【キット】測定分析用簡易キット、試料の1チップ化
 【前処理】試料調製、溶解、濃縮、化学反応
 【その他】その他の要素
(2)分析計測に関する新たな測定原理の構想を簡易試作し評価するものであり、かつ全く新しい知見が得られ、その波及効果が高いもの。
(3)上記(1)又は(2)に該当し、かつ研究現場のみならず応用現場(ものづくり現場)での将来の活用が想定されるもの。(応用領域)
II.応募状況
本事業の平成19年度課題採択にあたり、本年2月28日より4月19日までの間、上記「公募対象となった開発課題」について公募を行い、合計130件の応募がありました。詳細については( 参考2)に示します。
III.評価委員会での審査
JSTに設置した先端計測技術評価委員会が行った審査結果を踏まえ、採択候補開発課題を決定しました。なお、審査では以下の評価項目、評価基準に従い評価しました。
・機器開発プログラム
 開発を行う技術・機器に新規性・独創性があること
 最先端の研究ニーズに応えるものであること
 開発構想の実現に向けた科学的・技術的な見通しが立っていること
 具体的かつ実施可能な開発計画が立案されていること
 開発計画の遂行に必要な実施体制を構築できていること
 開発成果である計測分析機器がより大きな波及効果を生み出すと期待されること
 応用領域の開発課題については、応用現場(ものづくり現場)のニーズに応えるものであること
・要素技術プログラム
 開発しようとする技術・手法に新規性・独創性があること
 開発の実現可能性があり、将来への波及効果が見込まれること
 開発目標・開発計画が妥当であること
 現在の要素技術に比べ飛躍的に性能を向上させること
 標準試料、標準試薬となりうるもの等の場合については、波及効果が大きいこと
 応用領域の開発課題については、応用現場(ものづくり現場)のニーズに応えるものであること
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