JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第399号 >用語説明

<用語説明>

注1)人工脂質膜:
高分子材料に人工の脂質を埋め込んで膜状に加工したものである。

注2)味物質間で相乗・抑制効果の相互作用:
例えば、コーヒーに砂糖を入れた場合を考えます。砂糖を入れた後でも、コーヒーに含まれている苦味物質の量は変化しません。従来型の化学物質量を定量するセンサでは、絶対的な量を測定するため、砂糖を入れた後のコーヒーでも同じ数値が出てきます。しかし、人間の舌は、砂糖が入れられたコーヒーでは苦味が薄まって感じます。絶対的な量は同じでも、感覚的には薄まって感じること、これを味物質間の抑制効果といいます。同様に、例えばスイカに塩を振りかけるとより甘さが増して感じるようなことを、味物質間の相乗効果といいます。このような相互作用を評価できることが、脂質膜を用いた味覚センサの大きな特徴となっています。