JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第395号 >用語解説

<用語解説>

注1)ポリケタイド合成酵素:
多様な化学構造と生物活性を示す植物ポリケタイド(主に炭素2原子からなる酢酸単位が縮合して生じる一連のポリマーの総称)の基本骨格を作る酵素タンパク質の一種。抗生物質として重要なマクロライドやテトラサイクリンの骨格を形成する微生物由来のモジュール・タイプのI型や、サブユニット・タイプのII型に対し、主に植物に存在するIII型は、ケトアシル酵素のホモダイマーで構成される比較的単純な酵素タンパク質です。この酵素タンパク質は、植物に普遍的に存在するフラボノイドからお茶や赤ワインのポリフェノール、ウコンのクルクミンに至るまで、多様な構造と生理活性を示す一連の植物二次代謝産物の基本骨格を作ることが最近、明らかにされつつあります。

注2)キャビティ:
酵素タンパク質の活性部位を形成する空間。酵素はこの空間に基質を取り込んで、化学反応を触媒します。従って、活性部位キャビティの大きさや形状、その化学的性質によって、酵素反応の基質に対する親和性や、酵素反応の様式、また、反応生成物を決定することになります。