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資料2

平成18年度発足 研究領域及び研究総括の決定手順

1.一次候補者の絞り込み[推薦公募及び独自調査による一次候補者母集団の作成(1,008名)]
 以下に基づき、一次候補者母集団を作成しました。
1)推薦公募
 昨年度同様、より広い範囲から良い人材を発掘すること、及びより透明な選考方法とすることを目的とし、「推薦による公募」を行いました。具体的には、広く全国の大学、公的研究機関、民間企業研究開発部門に所属する個人を対象に、研究総括候補者とその人物に期待する研究領域の推薦(他薦)を募集しました。なお、研究総括候補者及び研究領域の要件は以下のとおりとしました。
・革新的な科学技術の芽或いは将来の新しい研究分野・源流を作り出す可能性のある研究領域であること。
・研究プロジェクトの指揮を委ねるに相応しく、上記の研究領域についての独特な見識を備えた優れた研究者であること。
・指導力および洞察力を備え、若い研究者を触発しうる研究者であること。
・採択されることで、飛躍的な発展が期待できる研究者であること。
2)シンクタンクによる調査
 毎年、シンクタンクに依頼し、2,000名程度の学識経験者等に対し、基礎的研究領域において、今後新しい分野を切り拓いていく、或いは新しい研究の流れを創り出していく可能性を秘めた人材、また、将来のグループ研究のリーダーとして注目している人材、研究テーマ等について調査を実施しております。今年度は、このうち平成15年度以降実施分を対象として候補者リストを作成しました。

3)研究開発戦略センターによる調査等
 研究開発戦略センターにおいて、上記推薦公募と同様の視点で、研究総括候補者とその人物に期待できる研究領域を調査し、候補者リストを作成しました。
 その他、平成16、17年度戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究 新規研究総括選定のために構想依頼を行った研究者から、重複等を除外し、候補者として追加しました。

 上記手順を経て、1,008名を今年度の一次候補者としました。

2.二次候補者の絞り込み[ERATO推薦委員による二次候補者の絞り込み(1,008名→76名)]
 昨年度同様、より透明な選考方法とすることを目的に、外部有識者を科学技術振興審議会基礎研究部会の専門委員に依頼し、戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATOタイプ)の運営趣旨を踏まえて構想を依頼すべき研究総括候補の絞り込みを進めるとともに、同部会による選考に参加する方法を導入しました。このために情報・電子・機械、物質・材料、ライフサイエンスの3分野に、各3名の有識者を配置しました。(以下、本有識者をERATO推薦委員と呼びます。)
 一次候補者について、ERATO推薦委員による絞り込みを進め、本プログラムへの集中が期待できなくなるような大型の公的グラントを既に得ていないかなど、本プログラムへの適合性を考慮しつつ、外部の専門家によるレビュー等を行う対象とすべき二次候補者として76名を選出しました。

3.三次候補者の絞り込み[専門家のレビュー等を参考としたERATO推薦委員による三次候補者の絞り込み(76名→38名)]
1)外部専門家によるレビュー
 戦略的創造研究推進事業の研究総括・領域アドバイザー及び21世紀COEプログラム拠点リーダー等42名にインタビューを行い、二次候補者のレビューを実施しました。
2)ERATO推薦委員による絞り込み
 上記の外部専門家によるレビュー結果を参考として、ERATO推薦委員により、研究構想を依頼すべき三次候補者の絞り込みを行いました。その結果、有力候補者として38名に絞られました(第三次候補者)。
 上記38名の候補者に対し、研究領域の構想・経歴書等の作成を依頼したところ、30名の研究者より研究領域の構想等の提出がありました(8名は辞退)
4.科学技術振興審議会における選考
 研究領域の構想等の提出があった30件の研究総括及び研究領域候補について、研究構想等の査読に加え、候補者に対する海外在住の外国人研究者によるメールレビュー結果を参考に、資料3に示す選考の視点に従って科学技術振興審議会において書類審査(30件→7件)・面接審査(7件→3件)を行い、3件の研究領域及び研究総括を選定しました。
 さらに1件の研究領域及び研究総括を選定するため、各段階の候補者について、再調査を行いました。三次候補者のうち構想提出を辞退した候補者等を中心に面談等による動向調査を行い、4件の有力候補に対して研究領域の構想作成を依頼し、提出された資料を基に選考を進め、面接審査を行い1件の研究領域及び研究総括を選定しました。