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別紙1

中国総合研究センター設立の目的と活動内容
~日中の科学技術分野における相互理解を目指して~

1.中国総合研究センター設立の背景と目的
   ~躍進する中国と日中間の科学技術に関する理解増進の必要性~

 中国の科学技術は近年目覚しく発展しており、世界トップレベルに踊り出ているものがあります。例えば、カーボンナノチューブ関連の論文数も日本を抜き米国に次いで世界2位となっています(別紙2)。
 しかしながら、日中間では言語の障壁等もあり、相互の状況を充分に理解し合えているとは言い難い状況です。このため、日中両国間の科学技術分野の交流を通じて、両国の科学技術の発展に寄与し、相互理解を促進するための基盤作りに貢献することを目的とした「中国総合研究センター」を設立することとしました。

2.中国総合研究センターのミッション
   ~日中間の科学技術分野における相互理解と協力の促進~

当センターでは、次のようなミッションを掲げ活動を行います。

1 中国の科学技術政策、研究開発成果の発展状況等を日本国内に伝えると同時に、日本の科学技術政策、研究開発成果の情報発信を行い、日中間の相互理解を深めます。
2 日中間の科学技術関係者の緊密な交流を通じて、日中共同で取り組むべき課題について検討を行い、適宜、政策提言を行います。
3 これら活動の成果が広く活用されるよう、関係機関(大学、研究所、企業等への情報提供に努めます。

3.具体的な活動内容

1 ホームページを通じた日中間の科学技術に関する情報の交流促進
 専用のホームページを構築し日中の科学技術に関する情報を提供します。なお、日本の科学技術動向等については中国語のホームページを作成し紹介する予定です。
2 中国科学技術文献データベースの構築と提供
 中国の科学技術論文の抄録(日本語版)を収録した文献データベースを作成し提供します。当面は科学技術・医薬系の文献600~700誌より、年間10万件程度のデータベースを作成します。
3日中共同での政策研究
 日中の科学技術に係る政策関係者等との研究交流(シンポジウム、ワークショップ、研究会等)を実施し、日中共同で取り組むべき課題について検討等を行うとともに、日中間での科学技術関係者の人的ネットワーク形成・拡大を図ります。

4.中国総合研究センターの体制

・センター長:馬場錬成、東京理科大学教授
・上席フェロー:永野博、科学技術振興機構理事、元文部科学省科学技術政策研究所長
・調査グループ、データベースグループ等を設置予定
・アドバイザリー委員会:(財)日本科学技術振興財団の有馬朗人会長(元文部大臣、科学技術庁長官)を委員長として、日・中・米の専門家によるアドバイザリー委員会を設置予定

5.今後予定される連携・協力先機関

【中国】 ・中国科学院
・中国科学技術促進発展研究センター(科学技術部)
・中国科学院 科学技術政策・管理科学研究所 ほか
【日本】 ・文部科学省科学技術政策研究所
・政策研究大学院大学
・(独)日本学術振興会
・(独)日本貿易振興機構(JETRO)/JETROアジア経済研究所
・(財)日中経済協会
・NPO法人日中産学官交流機構 ほか
【その他】・ドイツ:Institute for Asian Affairs ほか