機構報第293号
開発を終了した課題の評価
課題名 | 「痒み鎮静作用を有する機能性繊維」 | ||||||
所有者 | 横関 徳二 白井 汪芳 神村 昌孝 小宮山 淳 | ||||||
研究者 | 白井 汪芳 信州大学 理事 小宮山 淳 信州大学 学長 | ||||||
委託企業 | ダイワボウノイ株式会社 | ||||||
開発費 | 234,524,266円 | ||||||
開発期間 | 平成14年3月~平成18年2月 | ||||||
評価 |
本新技術は、金属フタロシアニンで染色した機能性繊維を用いて、かゆみ鎮静作用を有する下着を製造することに関するものである。 本開発では、金属フタロシアニンを比較検討し、耐候堅牢度に比較的優れている鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を用いたかゆみ鎮静作用を有する機能性繊維を開発した。肌の敏感なアトピー性皮膚炎患者が着用することを考慮し、均染剤や染色遅延剤などの染色助剤を使用しない染色方法を考案した。また、プロトタイプを試着した患者の意見をフィードバックし、装着感の良い下着をデザインした。並行してメカニズムを検討し、1) かゆみ発生因子(ダニアレルゲン蛋白質)の皮膚からの浸入防止、2) かゆみ発生因子(汗中蛋白質)の皮膚上濃度抑制、3) (アトピー性皮膚炎患者の)皮膚常在菌由来エンドトキシンの低減によりかゆみが抑制されることが分かった。臨床試験を行った結果、総合評価で十分なかゆみ鎮静作用が確認された。 本新技術を用いて製造した下着を用いることにより、アトピー性皮膚炎患者のかゆみが鎮静化される。アトピー性皮膚炎は、患者およびその家族に多大な負担を強いる疾患である。効果的な治療法が少ない疾患に苦しんでいる人々の生活を改善する技術として、社会的貢献が期待される。 | ||||||
評価者 |
| ||||||
評価日 | 平成18年3月27日 |