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図3: 無細胞タンパク質合成の模式図

図3: 無細胞タンパク質合成の模式図

通常は大腸菌等の微生物細胞に目的タンパク質の遺伝子を組み込んで、微生物を培養しつつ同時にタンパク質を生産する手法で構造解析用の試料調製を行う。無細胞系では、大腸菌等の細胞からタンパク質合成に関係する様々な因子を、活性を損なわずに抽出し、そこに目的遺伝子を加えてタンパク質を調製する。この場合は、細胞自身は既に破砕されているためにタンパク質合成に必要なエネルギー源、アミノ酸等は全て外部から添加する必要がある。一方この特徴から、通常のアミノ酸の代わりに同位体標識アミノ酸を添加することにより高い効率で、しかもアミノ酸の代謝拡散なしに目的タンパク質を調製することができる。