JST(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行うプレベンチャー事業を実施してきました。
この度、平成15年度より開始した研究開発課題「次世代知能型設備診断システム」の研究開発チーム(リーダー:山本隆義、サブリーダー:陳山 鵬 三重大学生物資源学部 教授)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 株式会社エクストラネット・システムズ(代表取締役社長:山本隆義、本社:広島県広島市、資本金:100万円)を平成17年10月1日に設立しました。
24時間常時運転の製造工場において、回転機械設備の健全性を診断する市販の診断器は、振動の大きさに基づいて診断するため、保全員が設備異常を認識できず、回転機械設備が突然故障するなど過大な損失を生じています。
同研究開発チームは、振動の無次元特徴量解析という最新設備診断理論及び相関抽出法やスペクトル残差強度法などの高度情報工学的手法を利用した診断器を開発し、故障による停止前に、故障の原因を発見・防止するシステムを開発しました。さらに、異常状態で運転しているため余分な電力を消費しているポンプを本システムにて検出できます。検出したポンプを修繕することで効率を向上させ消費電力低下による省エネルギーをも可能とします。その他、従来の検査装置では検出できなかったスポット溶接やプレス加工などの微小欠陥を見つけることができ「ものづくりの品質検査」への応用も可能となります。
同社は、最新設備診断装置の製造・販売、ポンプ統括的性能診断・補修サービスの提供、スポット溶接など検査装置関連の販売やライセンス等の事業を行うと共に、新たな診断・検査装置の開発を行い、平成21年度には年間10億円の売上を目指します。
今回の株式会社エクストラネット・システムズ設立により、当事業によって設立したベンチャー企業は34社となりました。