【語句説明】

注1) 炎症性サイトカイン:

病原体の生体内への侵入があった際、自然免疫系は炎症反応を惹起することにより病原体を排除させる。炎症反応の原因となる液性因子が炎症性サイトカインである。病原体の侵入が察知されると、細胞内シグナル伝達分子が活性化され、炎症性サイトカインが産生される。その結果、発熱などの炎症反応が惹起され、細菌などの病原体が排除される。

注2) I型インターフェロン(インターフェロン-α/β):

サイトカインの一種で、特に抗ウイルス活性を有するサイトカインとして知られている。ウイルスに感染した種々の細胞から産生される。

注3) RIG-I:

ウイルス感染を察知する細胞内センサー。ウイルス感染により生じる二重鎖RNAを認識すると考えられるRNAヘリケースドメインとシグナル伝達経路の活性化に必要なCARDドメインから成る。RIG-Iがウイルス感染を察知するとシグナル伝達経路が活性化され、最終的にI型インターフェロン誘導し、生体防御反応が成立する。

注4) Mda5:

RIG-Iと同様ウイルス感染により生じる二重鎖RNAを認識すると考えられるRNAヘリケースドメインとシグナル伝達経路の活性化に必要なCARDドメインから成る分子。

注5) IRF3:

多くのインターフェロン誘導遺伝子のプロモーター領域に存在するIRF-EおよびISREと呼ばれる領域を標的とする転写制御因子。IRF3はウイルス感染からのシグナルにより活性化されインターフェロン遺伝子の発現を調節している。

注6) IPS-1:

RIG-IおよびMda5が有するCARDドメインと類似のCARDドメインを有する分子。このドメインを介してRIG-I、Mda5と結合し、シグナルを下流へと伝達する。最終的にはIRF3を活性化しI型インターフェロンを誘導する。