資料4

新規採択研究代表者・研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CREST)

戦略目標「安全・安心な社会を実現するための先進的統合センシング技術の創出」
1 研究領域:「先進的統合センシング技術」
研究総括:板生 清(東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科 研究科長・教授)

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
石田 誠 豊橋技術科学大学 工学部 教授 社会の安全・安心に貢献するユビキタス集積化マイクロセンサの開発 本研究では、安心して暮らせる安全な社会の実現に向けて、あらゆる生活空間においてセンサネットが形成可能な完全無線型集積化マイクロセンサ・ノードを開発します。超小型の各種センサと知能化回路を一体形成し、その上、独自の技術によって微弱無線回路と高性能無線エネルギー授受機構をチップ上に集積化します。これにより、電源や電池寿命から解放された完全無線型マイクロ集積センサ・ノードの世界初の実現を目指します。その結果、人工物・生体のヘルスケアへの応用へつなげます。
車谷 浩一 独立行政法人 産業技術総合研究所 情報技術研究部門 グループ長 安全と利便性を両立した空間見守りシステム 本研究は、街角・官公庁・美術館・オフィスのような空間における社会の共有資源(通路・窓口・施設等)の利用を、センサからのモニタリング情報の収集・解析と近未来の予測を行う時間軸解析により円滑化することを目標としています。これにより、動的資源割当(人の流れの制御など)のシステムを開発します。最終的には、危険状況の検知・緊急時避難計画作成、協調ナビゲーションなど安全・安心・利便性を提供する情報環境(サービスシステム)を実現します。
佐藤 知正 東京大学 大学院情報理工学研究科 教授 安全・安心のための移動体センシング技術 本プロジェクトでは生活・物流・自動車分野において、1)自動車・家電などの機械の稼動や利用者の行動などのふるまい情報を計測・蓄積し、その特徴やくせを抽出する統合センシング技術、2)この情報に基づいて個別適合したサービスを可能とする技術を確立します。これにより、個性をもつ個人や個別状況に対応した、きめ細かな安全・安心サービスを実現します。
都甲 潔 九州大学 大学院
システム情報科学研究院
教授 セキュリティ用途向け超高感度匂いセンサシステムの開発 本研究では、目的分子と選択的に結合する抗体及び鋳型分子認識膜を、表面プラズモン共鳴センサ及び表面分極型センサと組み合わせ、イヌの鼻を超えるppt(part per trillion)レベルの検出感度を有する超高感度匂いセンサシステムを開発します。当センサシステムから構築されるネットワークは、空港・鉄道等のセキュリティー、警察での爆発物探知等への応用のみならず、食品や水の品質管理も含め、安全・安心な社会の実現に貢献するものです。
西田 佳史 独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン 研究センター チーム長 事故予防のための乳幼児センシング基盤技術 ユビキタス型・インターネット型乳幼児観察技術、大規模な乳幼児行動蓄積データの処理技術、乳幼児行動の計算モデルを統合することで、個々の乳幼児の「現在の状態」を観察するだけでなく、「一歩先の状態」を観察するセンシングの基盤技術を確立します。これらの技術を、要素技術としてだけでなく、社会システム技術として事故予防分野へ応用し、実際的な成果をあげつつ、乳幼児事故予防のためのセンシング基盤技術に寄与します。さらに本技術は高齢者の事故防止のための行動シミュレーションおよび実時間センシングへの適用も考えられます。
安田 二朗 警察庁 科学警察研究所 室長 全自動モバイル型生物剤センシングシステム 生物剤を用いた犯罪・テロが国民の安全安心を脅かす大きな脅威となっていますが、そのような事案が発生した際には、迅速な検知・同定・情報伝達が被害の最小化に最も重要です。本研究では現場で生物剤の存在が疑われる試料を携行型の機器にアプライするだけで、その場で多項目の生物剤についてその存否を迅速に検知・同定かつ情報通信できる世界に先駆けた先進的統合センシングシステムの開発を目指します。