科学技術振興機構報 第2号
平成15年10月8日
埼玉県川口市本町4-1-8
独立行政法人 科学技術振興機構
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL https://www.jst.go.jp/

プレベンチャー事業で「メタルジェットプリンター」を開発
大学発ベンチャー企業「メジェップ」設立

 独立行政法人 科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(プレベンチャー:旧 新規事業志向型研究開発成果展開事業)を実施してきました。
 この度、プレベンチャー事業において平成12年度より開始しました研究開発課題「放電式金属噴射(メタルジェット)プリンター」の研究開発チーム(リーダー:山口勝美(名古屋大学名誉教授)、サブリーダー:洪秀明)のメンバーと本事業の協力者が出資して、ベンチャー企業、メジェップ株式会社(代表取締役:山口勝美、本社:愛知県春日井市、資本金1000万円)を平成15年10月1日に設立しました。
 メタルジェットプリンターは、金属を微細な溶融ドットとして噴射し、パターン、絵、文字などの2次元画像をプリントするものです。これらの画像を積み上げれば3次元体をつくることができます。また、この技術は、コンピュータ制御で、顧客の要望に応じて一個一個違うパターンをプリントできるので、カスタム形式の多種少量生産や、試作などに向いています。
 プレベンチャー事業では、金属として、鉛フリーはんだ、金などの噴射を実現しました。鉛フリーはんだを使って、配線、2次元画像などをプリントでき、また3次元体も作ることができます。金など従来不可能とされてきた高融点金属についても、超小型なノズルを開発し、コンパクトなプリンターのプロトタイプを作り上げています。事業化の立場からは、技術的課題が残っていますので、低融点・高融点両金属を含めて共同開発等を続け、技術レベルを高めていきます。
 予定しているビジネスの内容は、鉛フリーはんだプリンターを使ったバンプ(*)、プリント基板の共同開発 電気接合用微小金属ボールの製造 ネームプレートに類する記念品の製造 金属を使った造形 金などの高融点金属噴射技術の応用に関する受託研究・共同研究 などです。
 市場規模は、例えばこの種のバンプ製造市場は現在200億円程度と見積もっていますが、5年先1億円の売上を目標としています。

今回のメジェップ設立により、当事業によって創設したベンチャー企業数は18社となりました。

 なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
(電話03-5214-0016)斎藤隆行までご連絡下さい。

(*)バンプ: ICチップ等で電極を取る部分に基板との接点を作れるようにはんだ等の金属でできた突起のこと
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This page updated on October 8, 2003

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