機構報第155号
開発を終了した課題の評価
課 題 名 | 「好熱性菌由来の分解酵素の製造技術」 | ||||||
研 究 者 | 名古屋大学名誉教授 鵜高 重三 産業技術総合研究所セルエンジンビアリング部門主任研究員 石川一彦 | ||||||
所 有 者 | 鵜高重三(名古屋大学名誉教授) 産業技術総合研究所長 ヒゲタ醤油株式会社 | ||||||
委託企業 | 洛東化成工業株式会社 | ||||||
開 発 費 | 196,135,376円 | ||||||
開発期間 | 平成14年2月~平成16年12月 | ||||||
評 価 | 本新技術は、100℃付近に至適温度を有する超好熱菌Pyrococcus horikoshii由来の耐熱性分解酵素の製造に関するものである。繊維産業では、糊の除去、染色、生地の改質等の処理は高温で行うが、従来実用化されている酵素は至適温度が60℃以下のもので、酵素処理毎に液温を下げ、また上昇させる必要があり、エネルギー効率が低いので、高温で処理できる酵素が望まれていた。 本開発では、Pyrococcus horikoshii OT-3の耐熱性酵素の遺伝子を、Bacillus brevisを宿主とする高効率タンパク質生産系に組込んでセルラーゼを生産した。その生産性を高めるために、組み換え菌からさらに高生産する変異株をスクリーニングしたり、培養条件の最適化を行うことによって、従来の約3倍(510u/mL)の生産性を得ることに成功した。また、大量生産のために培養環境、培地組成について種々検討することによって、5kL培養槽へとスケールアップし、月産10トンの製造プラントで、高純度で高い活性を有する超耐熱性セルラーゼの量産技術を確立することができた。本酵素を用いてジーンズの高温処理を行った結果、良好な風合いが得られ改質効果が確認された。 本新技術によって、超耐熱性加水分解酵素の量産化が達成され、繊維加工用、農産廃棄物等のバイオマスの有効利用等において広く用いられることが期待される。 | ||||||
評 価 者 |
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評 価 日 | 平成17年1月21日 |