【用語説明】
※1 コンビナトリアルケミストリー(多種類化学合成)法
類似の分子構造をもった分子群(図書館になぞらえて、分子ライブラリーと呼ぶこともある)を、短時間に効率よく作る(化学合成)方法のことで、樹脂などの固相で行う合成がよく利用される。
※2 セミウエット
バイオ分子を水に溶かした状態をウエット状態とすると、周囲を水分子で満たされながらもその水が固まっている状態を半分ウエットなものとしてセミウエットと呼ぶ。水に溶かしたままでは、ナノテクノロジーなどに応用する素子とすることはできないが、完全にドライな状態では酵素・タンパク質は活性を失ってしまうことが多い。従って、その中間状態であるセミウエットな固定化は、ナノバイオの進展において大きなブレイクスルーとなる可能性を秘めている。
※3 DNAアレイ
遺伝子DNAの一部を小さな基板のうえに並べたもの。特定の遺伝子配列の異常や欠陥を識別するのに用いられる。これに対し、本研究のヒドロゲルを用いたタンパク質等のアレイの場合、タンパク質や酵素は病気を引き起こす直接の分子なので、これらの異常を効率よく診断でき、DNAアレイによる診断より、もっとダイレクトな情報を得ることができる。また、遺伝病以外の病気(感染症など)の場合は、その病原タンパク質の検出にも効力を発揮するとも期待できる。
※4 ヒドロゲル
水を寒天やゼリー状に固めたもの。食品や化粧品などに利用されている。
※5 ポストゲノム時代
人の遺伝情報が完全に解読された後、即ち今日の科学ではその情報をいかに有効に利用できるかに注目が集まっている。ゲノムがコードするタンパク質およびそのネットワーク解析(プロテオーム)は、ゲノムよりもより直接的に細胞や生体の状況変化を反映するので有効利用が加速するものと期待されている。
※6 ナノバイオテクノロジー
1ミリの100万分の1の大きさであるナノメーターレベルで物質の構造と機能を制御して新機能・新材料を創出しようとするナノテクノロジーと生体分子を工学するバイオテクノロジーの融合領域。ナノテクノロジーの次に来る科学技術のターゲットと考えられ、世界の最先端ではその競争が始まっている。
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This page updated on December 8, 2003

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