事後評価を実施したのは、野鳥を指標生物とし分布データを収録整備した「BirdBase -アジアの鳥類分布データベース-」と、日本各地の大形天然林試験地の天然林更新と樹木の生長データを蓄積した「森林動態データベース」です。これらのデータベースは、平成15年10月から各研究機関よりインターネットを通じて公開されているものです。
動植物の分布情報は生物多様性を保全するための基本的なデータとして重要です。最近、鳥インフルエンザの流行があり、家禽の保護やヒトへの感染も危惧されるように、各種鳥類の消長は人類の衛生問題とも密接に関連しています。また、世界屈指の森林被覆率を誇る日本列島には、亜熱帯から亜寒帯までの様々な形態の森林が存在しています。世界的にはほとんどが乾燥地帯である北緯30度帯に位置する貴重な森林データも含まれます。これらのデータベースを整備することにより、専門分野の研究者のみならず環境保護や衛生、国際的な環境問題研究のためのモニタリングデータとしての活用が期待されます。
1.対象課題(開発期間 平成12年10月-平成15年9月)
今回の事後評価は、平成15年10月から公開されている下記の平成12年度採択課題を対象として、3年の開発期間終了後、1年の公開運用実績を踏まえて行われたものです。
(1)鳥類を指標生物としたアジア生物多様性保護支援データベース | |||||||||||
(公開名:BirdBase ―アジアの鳥類分布データベース―)
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(2)森林動態データベース | |||||||||||
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2.評価方法
評価方法について定めた「研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達」(別添)にしたがって、JSTが選任した外部専門家によって組織される研究情報データベース化委員会の委員が、開発・運用責任者の自己評価及び委員へのプレゼンテーション、及び委員会での質疑応答などをもとに評価を行いました。
3.研究情報データベース化委員会委員
委員長 | |
坂田 俊文 | (財)地球科学技術総合推進機構 理事長 |
委員 | |
安部 明廣 | 東京工芸大学大学院 工学研究科 ナノ科学研究センター 教授 |
岩田 修一 | 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 |
太田 暉人 | (社)日本化学会 常務理事・事務局長 |
津谷喜一郎 | 東京大学大学院 薬学系研究科医薬経済学 客員教授 |
根岸 正光 | 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 教授、国際・研究協力部長 |
細矢 治夫 | お茶の水女子大学 名誉教授 |
水島 洋 | 国立がんセンター研究所 疾病ゲノムセンター 室長 |
村松 正實 | 埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター 所長 |
横田 正幸 | (財)ヒューマンサイエンス振興財団 技術主幹 |
4.評価項目
(1)当初計画の達成度
(2)データベースの評価
(3)データベース化終了後の公開運用体制及び運用状況
(4)運用の今後の展開
(5)総合評価
5.事後評価の実施日
平成16年11月30日(火)
6.評価結果
7.参考資料
研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達(別添)
なお、本事業については、JSTの研究情報データベース化事業のホームページ(URL:http://dbs.jst.go.jp)をご参照下さい。このホームページからは上記データベースへもアクセスできます。
データベース検索例
図1.BirdBase検索例
「ヤマゲラ」と「アオゲラ」の検索結果。ヤマゲラとアオゲラは容姿が非常に似ているが、ヤマゲラは日本では北海道だけに生息し、一方のアオゲラは本州にしか見られない。

図2.森林動態データベース検索例
ブナ稚樹の分布図(小川試験地)。左から1988年、1989年、1990年。

別紙1 「鳥類を指標生物としたアジア生物多様性保護支援データベース」事後評価結果 |
別紙2 「森林動態データベース」事後評価結果 |
参考資料 研究情報データベース化事業の課題評価の方法等に関する達 |
<お問い合わせ先>
独立行政法人 科学技術振興機構
データベース開発部 研究情報データベース化部門 阿部篤史
TEL.03-5214-8497 FAX.03-5214-8470