JST(理事長 濵口 道成)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、エディットフォース株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役 中村 崇裕、以下「エディットフォース」という)からの第三者割当増資注1)の引き受けを実施しました。
エディットフォースは、JSTの戦略的創造研究推進事業 さきがけ 研究領域「RNAと生体機能」における「PPR蛋白質注2)ファミリーの解析とRNA調節酵素への応用」(平成18~21年度)、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)探索タイプ「PPRモチーフを利用したカスタムRNA結合蛋白質の設計」(平成24年度)(いずれも研究者 中村 崇裕(現 九州大学 准教授))における研究開発成果を基に、平成27年5月に設立されました。設立後は、産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA) 研究領域「ゲノム編集注3)による革新的な有用細胞・生物作成技術の創出」(領域統括 山本 卓 広島大学 教授、平成28年度~)に参画しています。
エディットフォースは、PPRたんぱく質プラットフォーム技術注4)による独自のDNA/RNA編集技術を持つベンチャー企業です。本技術はDNAの編集のみならず、RNAの編集もできるため、他のゲノム編集技術よりも広い範囲での応用が見込まれます。現在は、創薬分野に注力し、複数の製薬会社との提携を通して、PPRたんぱく質の医薬品開発分野での応用に向けての開発を推進しています。
今後は、プラットフォーム技術のさらなる強化を進めるとともに、日本発の技術として、国内企業のみならず海外の企業とも協業し、医療・農業・化学分野などへの応用をグローバルに推進します。
SUCCESSでは今後も、JSTの研究開発成果を実用化しようとするイノベーティブなベンチャー企業に対して、成長資金の供給や関係機関のネットワークを活用したサポートを提供することにより、実用化を通じた先端技術の社会への還元を進めていきます。(URL:https://www.jst.go.jp/entre/)
JSTは平成26年4月より「出資型新事業創出支援プログラム」(略称:SUCCESS SUpport Program of Capital Contribution to Early-Stage CompanieS)を実施しています。本事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対しJSTが出資並びに人的および技術的援助を行うことでその創出および成長を促進し、当該ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としています。出資を通じてJSTがベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」を狙っています。
<企業概要>
企業名 |
エディットフォース株式会社 |
設立日 |
平成27年5月15日 |
本社所在地 |
福岡県福岡市 |
代表取締役 |
中村 崇裕 |
事業内容 |
PPRを利用した独自のDNA/RNA編集技術の開発、バイオ産業への適用 |
<用語解説>
- 注1)第三者割当増資
- 特定の第三者に新株引受権(新株の割当を受ける権利)を与えて行う増資のこと。会社の資金調達の方法の1つで、会社の自己資本を充実させ、財務内容を強化することができる。
- 注2)PPR(Pentatrico Peptide Repeat)たんぱく質
- RNAおよびDNAに配列特異的に結合することで遺伝子の発現を制御する、35のアミノ酸からなる繰り返し配列を持つたんぱく質の総称。植物で初めて発見されたが、ヒトや酵母にも存在しており、同様の機能を持つ。
- 注3)ゲノム編集
- DNA切断酵素を用いて、染色体上の任意のDNA配列を自在に操作(書き換え、破壊など)することのできる技術。
- 注4)PPRたんぱく質プラットフォーム技術
- 中村准教授らはPPRたんぱく質の配列特異性を決定するメカニズムを明らかにし、標的とするDNAまたはRNA配列に結合するたんぱく質を作成する技術を確立、酵素たんぱく質と融合することで、細胞内外問わず、標的ゲノムやRNAを自在に操作、改変することを可能とするプラットフォーム技術を開発した。
<お問い合わせ先>
<エディットフォース株式会社に関すること>
エディットフォース株式会社
担当:河野 英恵(カワノ ハナエ)
〒819-0395 福岡県福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル4階
Tel:092-802-4935
E-mail:
URL:https://www.editforce.co.jp/
<SUCCESS事業に関すること>
科学技術振興機構 起業支援室
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
Tel:03-6380-9014 Fax:03-5214-0017
E-mail:
URL:https://www.jst.go.jp/entre/