（１）プログラムの概要

本プログラムの目的は、日本の産学連携チームとスウェーデンの同様のチームが国際的な産学連携の体制を築いて、高齢社会における新たなイノベーションの早期実現を目指すものです。

日本側、スウェーデン側のソリューション（例：革新的な機器、サービスやコミュニティーのデザイン）を統合させるなどして、そのアイデアの革新性、有効性を確認します（フェーズ１）。その後、そのソリューションが高齢社会の実環境で機能することを示します（フェーズ２）。ステージゲート方式の評価の結果に基づき、フェーズ１（２年間）からフェーズ２（３年間）への移行が認められれば、長期間にわたるシームレスな開発が可能となります。高齢者の自立的活動、活力ある生活や社会参加を支えるため、これまでの社会、地域共同体（コミュニティー）、個人の暮らし方を変える優れた提案に対して研究費を提供します。

（２） 支援予算額

ステージ名	フェーズ１	フェーズ２
研究期間	約２年間	約３年間
研究予算額 （間接経費込み）	１課題あたり ６５０万円／年（間接経費込）を上限	１課題あたり ３，０００万円／年（間接経費込）を上限
採択数	４課題	２課題

（３）ステージゲート評価における評価基準

以下の基準を適用しました。

ア　フェーズ１における進捗

• 提案の目的・目標に向けた進捗
  • プロジェクトの遂行は適切であったか
• 目標や活動の発展・適応
  • プロジェクトにとって妥当で価値のあるものであったか
• フェーズ２における実証段階への移行ができる潜在性

イ　フェーズ１における国際産学連携

• チーム構成の適切性
  • パートナーの妥当性（プロジェクトを進めるための適正、リソース、能力）があるか 目標達成のためのパートナーの貢献、必要性があるか
• パートナー間の活動バランス
  • 学術界のパートナーへの依存度が大きすぎないか
  • 企業や他の関係者が十分に関与しているか
• 二国間における良好な活動バランス

ウ　フェーズ１を通じて学んだ現在および今後の課題

• ニーズや課題、社会実装に向けた解決策の実現への道筋に対するフェーズ１期間中の理解度の発展
• プロジェクトの構成、運営の発展
• 実用化への新しい解決策に向けて進めていくための、次のフェーズで示されるべきニーズや要素への理解

エ　フェーズ２の目標

• フェーズ２における目標の妥当性
  • 目標を設定する際にフェーズ１の結果や反省が考慮されているか
• フェーズ２の目標を達成するための潜在性
• フェーズ２の目標や活動、社会実装に向けた重要なステップに影響を与えうる法、規制、倫理、社会的制約への考慮

オ　フェーズ２の計画

• 実現可能性
  • アプローチの妥当性はあるか
  • 適切な活動およびワークパッケージがなされているか
  • 期間中の適切なマイルストーンが設定されているか
  • 計画遂行にあたりパートナーが明確で適切な役割を担っているか
  • 実験・実証段階における活動が、解決策を社会実装させる潜在性の評価をするために必要な結果を十分にもたらすものであるか（適切な準備、環境、実証サンプル、パートナーなど）施設やインフラが整っているか

カ　フェーズ２における国際産学連携

• 目標を達成するためのチーム構成の適切性
• フェーズ２期間中およびその先のステップにおける必要なリソースの利用可能性
• 労働力、適格性、財源、要すればその他適切な追加的要素（規制、知財、実証、文書作成など）が確保されているか
• 「障壁となる対象・潜在的顧客」、利用者や他の関係者のチームへの関与
• 二国間、パートナー間における良好な活動バランス
• ジェンダーバランス

キ　国際共通課題に対する新しい解決策に向けた実験的アプローチの重要性

このプログラムは気候変動、資源問題、エネルギー、水・食料、貧困など国際共通課題を解決するためのイノベーション促進の方策を試すことを目的としている。この観点から、高齢化問題に限らず広い分野で適用可能な知識の提供やそのような可能性の発見を高く評価する。