JST(理事長 濵口 道成)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役 勝田 和一郎、以下「シンクサイト」という)への出資を実行しました。
シンクサイトは、JSTの戦略的創造研究推進事業 さきがけ「統合1細胞解析のための革新的技術基盤」研究領域、課題名「新規高速高感度イメージングによる超高速蛍光画像サイトメトリー注1)」(平成26年度採択、研究者 太田 禎生(東京大学 先端科学技術研究センター 准教授))における研究開発成果を基に、平成28年2月に設立されたベンチャー企業です。
セルソーター注2)を始めとする単一細胞計測技術は、がんや免疫疾患の病態の解明や病気の診断など、生命科学研究や医療において基盤となる重要な技術ですが、従来の技術では、細胞に関する情報量と細胞の分取速度がトレードオフの関係にあり、細胞画像のような大きな情報の取得・解析と、1秒に1万個を超えるような高速での細胞分取とを両立させることが困難でした。
シンクサイトは、光イメージング技術、機械学習注3)、マイクロ流体技術などの異分野技術を組み合わせることで、情報量と分取速度のトレードオフを解決し、高速での細胞画像の取得と、取得した画像情報を基にした細胞の分取を可能とした次世代型の高速細胞分析分離システム(イメージングセルソーター)を世界で初めて開発しました。
今回の資金調達により、イメージングセルソーターの実用化を加速し、平成31年度の販売開始を目指します。また、この基盤技術を用いて、新しい医療診断や細胞治療、創薬研究などへの応用展開を加速させ、生命科学と医療の発展に貢献することを目指します。
SUCCESSでは今後も、JSTの研究開発成果を実用化しようとするイノベーティブなベンチャー企業に対して、成長資金の供給や関係機関のネットワークを活用したサポートを提供することにより、実用化を通じた先端技術の社会への還元を進めていきます。(URL:https://www.jst.go.jp/entre/)