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別紙1

女子中高生の理系進路選択支援プログラム
平成30年度採択機関一覧

No. 実施機関名
「企画名」
概要

鶴岡工業高等専門学校

「“サイエンス・サミット”女子支援プログラム ~高専女子と共に未来に挑め~」

理系or文系を意識し始める中学生を対象に、サイエンスの楽しさ、仕事としての理系進路を知ってもらうことを重視した企画。本企画の特徴は、理系進路に踏み出したばかりの現役高専生女子がともに進路を考えることにある。中学で理系進路を選択した高専女子学生の経験や感覚、若年層からの技術者醸成の人材育成実績、全国高専のネットワークを最大限に生かす。

  • 高専生サミットジョイント企画:高専生サミットは、全国高専の低学年が研究発表を行う場として平成28年度から連続2回開催し、平成30年度に第3回目を実施予定。本イベントに女子中学生が参加する機会を作り、サイエンスへの興味喚起を促す。
  • 中学校訪問実験:講師に高専女子学生を起用し、理系へのあこがれ、親近感を促す。
  • 企業、工場見学ツアー:女性が活躍する技術系企業を訪問、女性が働く現場見学をすることで、理系進路の先をイメージすることを促す。
  • キャリアセミナー:高専女子卒業生、企業の中堅女性や大学院生のキャリアパス、学生生活について講演、登壇者との交流。

帝京大学

「次世代に絆ぐ(つなぐ)サイエンスキャリア 」

女子中高生がサイエンスキャンプや講演会などを通じて科学技術に触れ、科学技術で活躍する女性を知り、科学技術に関わる仕事を将来の選択肢として考えられる女性の理工系選択の理解を深める。理系に興味のない生徒や理系に興味のある生徒、理系の職業を目標にしている生徒をそれぞれの興味の度合いにより下に示すように3つの階層をイメージし、それぞれ果たすべき目的で企画を行う。

【興味の度合いによる3つの階層】

  • 1)【Know(知る)】(理科に興味がない、理工系に興味がない層)女子中高生の理科実験や出前授業を通した理科教育の活性化と働くことの興味誘導
    ・・・・・女子中高生における理科実験を通した理科教育の活性化
  • 2)【Do(体感する)】(理系進路を考えている、理工系学科に興味がある層)女子中高生のサイエンスキャンプや講演会などを通した大学での理工系研究を実感する
    ・・・・・女子中高生におけるサイエンスキャンプによる理工系分野への理解
  • 3)【Vision(未来を見据える)】(理工系の企業、職業を目指している層)
    理工系女子大学生として将来の理系企業への就職のロールモデルを考える
    ・・・・・女子中高生向けの講演会やキャリアカフェによる広範囲への理解促進の企画で進めていく。

そのための後押しとして保護者、教員の理解を親子一緒の理科実験やサイエンスキャンプを通して理解を促す。さらに共同機関の企業には女性の理系職の講演や企業見学会の協力を依頼し、理系職業のイメージを多様化することに協力してもらう。

立教大学

「科学の未来を創る女子中高生のチャレンジ・ラボ ~家族・先生と一緒に知ろう!! 多彩な理系の未来~」

理系女性のさらなる社会進出を促すためには、女子中高生自身やご家族に理系女性の社会進出のさまざまな実例に接してもらい、女子中高生が社会で活躍する自身の姿をイメージしてもらうことが重要である。本プログラムでは、多彩な業種で活躍している本学卒業の女性を始めとして、大学の女性教員や、航空、ITなど理系業種で活躍する女性の講演と交流、そして、企業見学を通じ、女子中高生が理系への進路を選択した際の将来の可能性の多彩さを認識する機会を与える。さらに、出張講演や入門的な「実験体験講習」と、最先端の研究を体験できる「チャレンジ・ラボ」を実施し、純粋な知的好奇心から、女子中高生の理系への進路選択を後押しする。

山梨大学

「山梨で・見つける・育てる・リケジョの芽!」

本プログラムの女子中高生支援により、幼少期から小学校まで自然や科学に興味を持っていた女子生徒が中学、高校でも理数系科目への関心を維持し、積極的に理系進路を選択できるような環境を山梨県内で整えることを目指す。

このために、大学内の学部組織や女性研究者の協力の下、さまざまな職種の地元企業と連携し、女子中高生や保護者を対象に、体験実験を取り入れた講演会や企業で働く理系出身の女性社員との交流会などの企画を設ける。女子中高生には理系への興味を喚起するだけでなく大学卒業後の進路までを意識させ、保護者に対してはさまざまな企業での理系出身女性社員の活躍を示すことで将来への不安を解消する試みをする。また、年々変化していく女子生徒の状況に応じて企画を改善していくために、教員との協議会の場を設ける。本プログラムの企画を年中行事として定着させることで、県内で理系女子の芽を見つけ、育んでいく環境づくりを行う。

同志社大学

「「科学するガールズ」養成プログラム」

女子中高生に科学を楽しむプログラムを提供し啓発を行う。科学技術体験合宿をメインに、出前講義や実験体験、研究発表、見学などを通じて女性研究者、エンジニア、理系女子学生と交流することにより、理工系分野への興味、関心を喚起する。

特に、“物理の楽しさ”と“グローバル”をキーワードに、女子学生が少ない物理学、情報学関連分野の魅力を伝える。女子留学生との英語での勉強や、インターネットによる海外の女性研究者、エンジニアとの交流などにより、理系の活躍の場が世界に広がること、海外では男女の別なく先端技術で活躍していることを実感させる。

また、女性エンジニアとの交流会やプログラムに参加した中高生の報告会を通して、中高理科教員、保護者が理系の現状を理解し、生徒の理系進学へのサポーターとなるよう啓発する。

新居浜工業高等専門学校

「女子中高生のための 工業都市 東予・夏の学校」

女子中高生とその保護者、中高の教員を対象に、女子中高生が理系選択をしたときに、地元企業で活躍する自分の近未来の姿をイメージできるようになるための「女子中高生のための 工業都市 東予・夏の学校」(5日間)を開催する。愛媛県東予地域(新居浜市、西条市、四国中央市、今治市)は四国の一大工業都市である。「夏の学校」の企画と運営は女子高専生が担い、①理系卒業後にさまざまな分野で活躍している女性による講演会および座談会、②女性の活躍を応援する地元企業の見学会、③実験体験、④高専の研究室訪問、⑤①~④の体験報告である。⑤では、①②を中心に中高生自身の体験をパネルや冊子にまとめ、東予の商業施設や自身の中学、高校で発表する。2年目には、この「夏の学校」が中四国へ広がることを目指して、新居浜高専に加え宇部高専あるいは呉高専でも実施する。

佐賀大学

「継続・育成型 リケジョプラットホーム in SAGA」

佐賀大学の次世代育成への実績や県の地域性を最大限生かした以下の取り組みを行い、女子中高生やその保護者、教員に向け、科学への興味を促し、かつ理系進路選択の可能性について学ぶ場を提供する。

  • 県内の高校生1,400名(うち女子生徒700名)を対象とした佐賀大学高大連携活動カリキュラムを利用し、理系進路に関心のある女子生徒へ高校3年間の「継続性」を重視した、理系進路選択支援を行う。
  • 地域企業と協力し、中学生と保護者を対象に女性技術者の輝く姿や理系学問分野がいかに社会で活用されているかを認識させる体験型フィールドワークを行う。
  • 理系進路選択にやや消極的な、伊万里有田地区の生徒や保護者を対象に佐賀県主要産業である窯業文化と先端技術の融合に触れ理系分野への興味を促す。
  • 保護者や教員に向けた、ダイバーシティ推進の考え方や企業リーダーによる講演会を実施し、理系分野に女性の活躍が求められている現状への理解を求める。

長崎大学

「夢・憧れ・志を育むリケジョ育成プログラム」

共同機関として理工系企業、校長会、保護者(PTA)などの県内機関、連携機関として県教育委員会、市町教育委員会などが参画した実施体制で事業を展開する。県内巡回型「夢セミナー」、大学研究室および企業研究所における見学、体験学習型「憧れセミナー」、企業、教育行政、一般市民の参加を加え理系分野における女性の活躍を考え合う地域開放型「志セミナー」の3つのセミナーを中心に実施する。各セミナーの特色を生かした上で進路選択に大きな影響を及ぼす保護者、リケジョ教師に焦点化したセミナーを実施し支援意識啓発を強化するとともに、リケジョ情報を掲載した「リケジョ通信」を作成し県内中高校、PTAなどに配布しキャリア教育に資する広報の充実を図る。

鹿児島大学

「かごしま☆科学のタネまき塾 ~育て!未来の理系女子~」

鹿児島県の女子の大学進学率は全国最低水準(33%程度)にとどまる。本企画では、企業や大学、研究機関で活躍する女性や女子大学生の姿を可視化するとともに、鹿児島地域の研究施設の見学会や大学キャンパス内での科学体験塾、県内中学校への体験型出前授業を開催することによって、鹿児島地域の女子中高生に大学進学の意識を芽生えさせる。さらに、女子中高生の科学系進路への選択行動を後押しするために、鹿児島大学(理学部、農学部、水産学部)が中心となって鹿児島地域の課題を解決するプログラムを提供し、大学生、大学院生、および地元企業研究者とともに解決する取り組みを行い、将来の科学系職業人に対する夢を具象化してもらうことを目指す。すべてのプログラムでは積極的に保護者の参加を促すと同時に、地域の人々に対するサイエンス啓発活動も展開することによって科学に対する地域全体の意識改変を促し、地域全体で中高生の大学進学活動を後押しできる環境を整えることを目指す。

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琉球大学

「サイエンスプロジェクトfor琉球ガールズ」

沖縄県内の女子中高生を対象に科学への興味を促し、理系分野に進学する女子学生を育成する。本企画では、女性理系研究者らによる研究紹介およびロールモデルの提示、大学の研究室にて行う実験実習などを通して、女子中高生へ理系研究の面白さを伝えるとともに、懇談会を開催し、理系学部の女子大学生らとの直接対話を通じて理系進学への不安を払拭する機会を設ける。また、保護者にも門戸を開き、理系進路選択に対する理解を促す。さらに、参加した女子中高生たちを対象としたサイエンス座談会を年に1回開催し、理系を目指す女子中高生たちを励まし、互いのネットワークを強化する場を提供する。