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別紙1

 

「ジュニアドクター育成塾」
平成30年度採択機関・企画一覧

機関名 概要
企画名
埼玉大学

理数分野に強い好奇心と学習意欲を持つ児童・生徒たちがその「科学者の芽」を自律的・継続的に成長させる過程を、大学の持つ資源を生かして後押しし、科学的探究への夢と希望を持ち続け、知識と能力を備え、広い視野と向上心のある人材を育てることを目的とする。本学の自主的な取り組みである「科学者の芽育成プログラム」(ステップ1)受講生からの選抜や学校推薦で選ばれた受講生に、2段階構成の取り組みを提供する。「専門分野を知る」(ステップ2)では小学校5年生~中学2年生向けに「数学と情報」「物理と地学」「化学と生物」の3分野の専門別コースを設け、講義・実習実験・研究基礎講習・小グループ指導などを行う。その後の進級選抜を経て受講する「科学的探究活動の体験」(ステップ3)では個人単位の課題研究を実施する。

「科学者の芽成長促進プログラム」
慶應義塾大学

日々接する身近な人々に目を向け、ウェルビーイングを実現するための課題を見つけだし、それを題材として科学技術による解決法をデザインする。その解決法を実現させるための科学的なプロセスを実践する過程では、さまざまな場所でのフィールドワークなどを通じ科学者・技術者に必要な「科学的課題を抽出」し、「論理的思考」による解決法をデザインし「実験・調査・分析」を進め、結果を「考察」する一連の基礎力を養うと同時に科学倫理についても学ぶ。また宇宙、ビッグデータやAIなどを含むSTEM教育を推進し、アントレプレナーシップ、グループワークでのコミュニケーション力、イノベーションを生む力、プレゼンテーション力などを養う。

「KEIO WIZARD
KEIO Wellbeing Integrated Wizard Training Program for Elementary and Junior High School Students
生命の誕生から宇宙の利用までを科学する~みんなのウェルビーイングを君たちの科学の力で描いてみよう~」
静岡大学

「静岡STEMアカデミー」は、受講者の活動を3つのステージに分けて、将来科学技術分野のイノベーションを牽引し、変化の予測できない不確定性・不均質性を持った社会において、自ら課題を見いだし、自ら解決策の提案できる科学者・工学者の育成を目指していく。

3つに分けたステージではそれぞれ、①自己管理能力、②創造的課題解決能力、③科学的・工学的プロセス・スキルズ、④コミュニケーション能力など、21st Century Skillsの育成を図るため、STEM教室、自由研究指導、専門家とのマンツーマン指導を実施する。また、ステージをまたいだ活動として、STEMキャンプ、STEMカフェ、STEMアカデミーAwardsなどを設け、ステージをまたいだ受講者の交流と相互作用が生成することを期待している。

「静岡STEMアカデミー」
福井大学

福井大学教育学部を中心に、県内教育機関や科学学習関連施設などが連携して、次世代を担う人材育成に向けた教育プログラムを提案する。第1段階プログラムでは、福井県の魅力ある教育資源や人的資源“フィールドふくい”を題材に、地域の自然や科学技術、社会事象を多角的な視点から捉える力の伸長を目指し、修了者には「ジュニアマスターふくい」の称号を授与する。第2段階プログラムでは、知的好奇心にあふれる広い視野に立ち、地域との関わりの中で課題を設定し、その解決に向けて主体的に課題研究に取り組んでいく。積極的に挑む意欲を持ち続け、身につけた力を未来のふるさとの活力としてフィードバックしようとする、地域を指向した志を持つ第二段階の修了者に「ジュニアドクターふくい」の称号を授与する。

「ふるさとの活力となる地域を志向した理数系人材育成プログラム-フィールドふくいの舞台から-」
三重大学

三重県内で科学研究に強い関心と潜在的な才能を持つ児童生徒を対象に、三重大学が中心となって策定するジュニアドクター養成プログラムを実施し、個に応じた支援をすることで、個人研究を促進する。プログラム履修により修了証を発行し、修了生によるネットワークを構築して情報共有と継続的な支援を行う。特に高い能力を示す児童生徒に対しては大学の研究室で研究指導を行うとともに、科学の甲子園ジュニアの全国大会出場、日本学生科学賞入賞、科学技術コンテストへの参加を目指す。高校進学後は三重県内スーパーサイエンス・ハイスクール(SSH)指定校や理数科設置校における「課題研究」の取り組みと接続することで、県内高等学校の科学研究をリードする人材を輩出し、三重県における未来の科学者育成体制を構築する。

「三重ジュニアドクター養成プログラムによる未来の科学者育成」
大阪大学

放射線計測は、物理学、工学から生物学に至る全ての理工系の研究に必須な統計処理のスキルを養い、数理情報の基礎的訓練をする格好の材料である。大阪大学は福島原発事故後、即座に測定チームを組織、総長支援のもと、全国でのべ700名もの測定チームを率いて線量測定を行った実績があり、現在飯館村と連携して「環境放射線教育センター」の設立を目指している。「あいんしゅたいん」は高校生を中心にした環境放射線計測チーム「ゆりかもめ」を発足させ、小中学生を含めて、全国規模で活動を展開している。典型的な統計的揺らぎが放射線では顕著で数理を学ぶ格好の材料である。受講生は、環境問題に取り組みながら、理数的センス、データ処理能力、先端計測技術や統計手法を獲得し、さらに密接な連携のもと本学の高大接続プログラムを聴講することにより、広い分野で活躍できる確固たる基礎と高いモチベーションを獲得できる。

「数理統計・根源探求・先端技術への道―放射線計測を足場に」
認定特定非営利活動法人びわ湖トラスト

日本一古くて大きい湖であるびわ湖を主な教材として、周辺に位置する5大学(京都大学、滋賀大学、滋賀県立大学、立命館大学、龍谷大学)や民間企業研究所(東レ地球環境研究所)の専門家および海外(アメリカ、カナダ)の著名な教授陣が、選抜された有能な小中学生に地球(ガイア)の世界を直接指導する。びわ湖を場とした最先端の地球科学を学ぶことによって、地球温暖化や富栄養化などによる生物多様性の喪失や淡水資源の劣化などの深刻かつ喫緊の環境異変から生き残るために必要なサステナブル科学の学習を目指す。同時に国際会議やワークショップでの研究成果の発表や各種コンテストへの参加を通じて、国際競争に耐えうる能力を有した地球科学者の育成に貢献する。

「日本最大・最古の湖 びわ湖から学ぶガイアの世界」
津山工業高等専門学校

将来、イノベーターとして科学技術分野を牽引する100万人に1人の才能を見いだし、育成することを目標とする。未分化で才能が発現していない小中学生から100人に1人の逸材を広く近隣県から集め、科学技術の広範な分野の体験と学習を通じて、興味と資質の方向を自覚させ、才能豊かな意欲ある人材を選別し、個々の資質に沿った育成を行う。その中から1,000人に1人の才能(3σの逸材)を選別し、科学技術分野の研究者として育成し、中学卒業時点で成果を学術論文に発表できる100万人に1人の才能(5σの逸材)に育成する。

そのために科学技術を文化として捉え、地域全体で才能の育成に取り組む、裾野の広い、科学文化普及活動が欠かせない。突出した才能を育成すると同時に広く地域を巻き込んだ、行政、私立大学、国立大学、県立高校、市教育委員会が組織の垣根を越えて連携する「津山モデル」に沿った科学文化普及活動を展開する。

「「5σ」の逸材へ、発掘して育てるジュニアドクター育成塾」
有明工業高等専門学校

福岡県・熊本県・佐賀県を含む九州中央部の小・中学生を対象に、有明高専を中心とした3高専4キャンパスの共同企画により、次世代科学技術を担う「傑出人財」(人財とは社会の財産となりうる人材)を発掘・育成する。高専が科学技術とものづくりに強い点、遠隔講義システムが高専間で完備している点、九州がアジアに距離的に近い点などの特徴を活かし、第1段階においては、多様経験型、自主プロジェクト型、学外研修型の3つのプログラムを、第2段階においては個別研究型および学外発表型の2つのプログラムを、また両段階において受講生交流プログラムを用意し、ルーブリック評価や外部機関との連携を駆使して100年先を見据えて世界で活躍できる人財を世に送り出す。

「九州発「地球規模の視点を有する次世代傑出人財」発掘・育成プログラム」