背景・実情
農の再生は生業と生活が連動する問題である。過去の災害においても個人所有の農地や小規模な農業用施設などには公的支援が入りにくく、作付けや耕作継続に多大な影響を与えた。自助による復旧には限度がある中で、熊本では大きな被災経験がなく、農業ボランティア受け入れる体制が環境面でも心理面でも整っていなかった。
実装する研究開発成果
農地・農業用施設の復旧ボランティアが自立して地元の人たちと活動するためのノウハウを提供。
復旧・復興の成果
農業経験のないボランティア(およそ述べ70名)を指導し、地元の人たちとの復旧活動を実現した。熊本県御船町と山都町にて、堆積した石・砂利類の除去による井出(用水路)の復旧、および石拾いによる棚田の復旧を果たした。農業を辞めるとしていた農家が継続の意志を示すなど、個人のメンタル面においても大きな変化をもたらした。
今後の取り組み
活動中に発足した(1社)ふるさと発・復興志民会議とNPO法人日本環境保全ボランティアネットワーク(JCVN)が今回構築した仕組みを引き継いで支援を継続する。農地の活動を展開している個人や団体と連携を模索しつつ、他地域への展開可能性を図っていく見込みである。
土砂が堆積した井出の復旧前と後
ボランティア受け入れの理解促進にも繋がった手引書
ボランティアを指導
被災者との共同作業