背景・実情
地域の活性化の中核である城下町地域の歴史的建造物・資産が多大な被害を受けたが、文化財建造物のほとんどが未指定であり、復旧のための公的支援の枠組みが整備されていなかった。震災直後に市民団体や有志が集ったものの、修理・修景の専門的知識を持った人材の不足や、地域が持つ魅力を維持しようとする意欲を持つにも限界があった。
実装する研究開発成果
伝統的建物を修理し維持するための技術や、住民が日常的に地域活動に参加し、主体的に安全・安心を守る地域社会を作るためのノウハウを提供。
復旧・復興の成果
ワークショップを通じ、城下町地域内外から小学生も含む幅広い世代が地域の将来像について議論し、被害調査や修理相談会を実現することで、公費解体期限が差し迫る段階において、町屋オーナーの結束力を高め、住民主体の復興に向けた志向を高めた。一連の活動を機に、地域との関わりが乏しかった高校生がボランティア活動にその後も参加するようになるなど、豊かなつながりを醸成した。
今後の取り組み
地域と外部の橋渡しが構築されたことから、熊本県による未指定文化財に対する復旧復興基金の運用動向を視野にいれつつ、市民団体の熊本まちなみトラストなどの地元の団体が自立的に活動を継続していく見込みである。
被害を受けた歴史的町並み
ノウハウが詰まった 地域デザイン雑記帳
調査結果を踏まえ、復興イメージを共有するワークショップ