■製品例:組込マイクロプロセッサ「JSTEP」
■高性能組込マイクロプロセッサ「JSTEP」の特徴
 高速化と大容量化が進むネットワークに対応するため、キャッシュメモリを活用して周辺回路との高効率協調動作を行う機構、高速割り込み処理機構、バスを効率良く活用する機構、周辺装置を仮想化する機構等のオリジナル機構を有したオリジナル組込マイクロプロセッサ(JSTEP)を開発しました。本マイクロプロセッサは、高速化をは図るため組込マイクロプロセッサとしてはこれまであまり用いられていない8段のパイプライン構造を採用し、低価格の組込回路に多用されるASIC※1技術によってLSI化されても高速動作が可能です。また、このJSTEPプロセッサと組み合わせてシステムLSIを構成するための周辺回路として、DDR-SDRAM※2インタフェース、ギガビットイーサネット※3インタフェース、ハードディスクインタフェース、シリアルインタフェース等を開発しました。また、通信の安全性を高めるために需要が高まっている暗号復号回路も最新の規格に基づいて開発しました。JSTEPプロセッサとこれらの周辺回路を組み合わせることにより、多用な顧客ニーズに対応したシステムLSIを短期間で開発可能です。また、JSTEPプロセッサ用開発環境が構築されており、組込ソフトウェアの開発はC、C++、FORTRAN、アセンブラ等の言語を使って行えます。高度な組込アプリケーションをオペレーティングシステム上で実行する必要がある顧客に対しては、マルチタスク環境を提供する組込オペレーティングシステムを提供します。
■応用製品例:ホームサーバへ組み込んだ場合の利用例

 本システムLSIをホームサーバへ組み込んだ場合、ホームサーバを家庭内にある家電機器につなぐと、・家庭に配信されるビデオストリームの受信、録画、予約なしのタイムシフト再生ができ、・家庭にあるRFID※4を管理し、・メールやWebブラウザではパソコンを使わなくてもインターネットへ接続可能で、・ネットワークルータとしてインターネットへパソコンを接続し、アプリケーションソフトウエアなどの活用や共有が可能となり、これらがより低価格・高速でできるようになります。
■応用製品例:エッジサーバへ組み込んだ場合の利用例

 本システムLSIをエッジサーバへ組み込んだ場合、ネットワークのアクセス速度は向上し、小型で低消費電力な高信頼性サーバとして、地中に埋設したり、電柱に設置可能となり、また、複数で運用すると、障害発生を飛躍的に軽減することができます。
■用語解説
※1 ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
特定用途向け集積回路
※2 DDR-SDRAM(Double Date Rate - Synchronous DRAM)
コンピュータ内で各回路間の同期を取るためのクロック信号の立ち上がり時と立ち下がり時の両方でデータの読み書きが行えるようにしたもの。
※3 ギガビットイーサネット
通信速度を飛躍的に高めた高速なLAN規格。
※4 RFID(Radio Frequency Identification)
微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み。

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This page updated on November 9, 2004

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