科学技術振興機構報 第119号
平成16年10月27日
東京都千代田区四番町5-3
独立行政法人 科学技術振興機構
電話03-5214-8404(総務部広報室)
URL: http://www.jst.go.jp

社会技術研究システムによるミッション研究
「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」における短期研究の実施について

1.概要
 独立行政法人 科学技術振興機構(理事長:沖村憲樹)の社会技術研究システム(システム統括:佐藤征夫)では、本年度よりミッション研究「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」(研究統括:小泉英明 (株)日立製作所役員待遇フェロー)を開始しております。本ミッション研究では、子供の社会能力(Sociability:生きる力の一つで、社会性に関する能力のこと。ソーシャルスキルなども含まれる概念で、「社会力」と訳されることもあります。)の獲得過程や神経基盤について明らかにすることを目的とし、我が国初の、非侵襲脳機能計測および行動学的観察を組み込んだ大規模な追跡研究を行うこととしています。
 本ミッション研究は、平成16年度に追跡研究の要素的準備等を進め、平成17年度に短期研究を含む調査研究等を実施した後、平成18年度から当面5年間の長期研究を実施する予定です。

 このたび、この研究の一環として平成17年度に実施する短期研究を、下記の機関と共同で行うことと致しました。
 短期研究では、下記の機関を中心とする地域の方々のご協力をいただき、保護者の方への質問票調査、乳幼児を対象とする行動観察等、長期研究の実施内容を試行します。これにより、長期研究の実行性を確認するとともに、調査項目についての定性的な傾向を把握します。これらの結果については、解析等を行った後、並行して実施する調査研究の結果等を含めてとりまとめを行います。この結果を踏まえて、平成17年度末に中間評価を行い、平成18年度以降に実施する長期研究(大規模調査研究)の計画等に反映させることとしています。

2.実施機関等
機関名 所在地 実施責任者
大阪市立総合医療センター 大阪市都島区 富和清隆(小児神経内科部長)
鳥取大学地域学部 鳥取県鳥取市 小枝達也(地域学部教授)
国立病院機構三重中央医療センター及び尾鷲総合病院 三重県久居市及び尾鷲市 山本初実(国立病院機構三重中央医療センター臨床研究部長)

3.上記実施機関における短期研究の概要
 インフォームド・コンセントの手続き等を経て、ご協力いただける0歳児及び5歳児、500~600名程度を対象に、それぞれの実施機関において、下記の調査等を実施します。なお、短期研究においては、子供を対象とした非侵襲脳機能計測は実施しません。
 研究の実施にあたっては、倫理的対応、個人情報の保護に万全を期すこととしています。
(1)
質問票調査による生育上の環境因子の調査研究
 保護者の方に対する質問票により乳幼児の生育上の環境因子(生活・育児環境等)を調査し、環境因子が子供の発達、社会性の獲得等に及ぼす影響を調べます。質問票調査は、郵送によるアンケート式調査および調査会場での直接面接による聞き取り調査の二つにより実施します。
(2)
観察と行動記録による調査研究
 心身の発達状況を客観的に評価し、環境因子の影響を精度よく分析するために、平成16年度に作成する検査・行動観察の標準的手法により、小児科医、発達心理学専門家等が、対象者全員を統一的尺度で観察します。0歳児については生後4~5ヶ月と9~10ヶ月の2回、5歳児については1回のみ実施する予定です。本調査は、発達神経学的検査(反射・筋緊張・言語能力等の検査)と子供の行動発達観察の二つにより構成されます。なお調査に要する時間は、1回あたり40分程度の見込みです。
4.参考
(別紙) 社会技術研究 ミッション・プログラムIII:
「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」について


5.問い合わせ先
独立行政法人 科学技術振興機構 社会技術研究システム推進室
  電話:03-5404-2800
      (室長)佐藤 雅之
      (次長)植田 昭彦
別紙 社会技術研究 ミッション・プログラムIII:
「日本における子供の認知・行動発達に影響を与える要因の解明」について
参考資料 関連用語解説

■ 戻る ■


This page updated on October 27, 2004

Copyright©2004 Japan Science and Technology Agency.