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別紙

戦略的創造研究推進事業における平成28年度の研究提案募集(第2期)の概要

1.事業の趣旨

本事業は、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションを生み出す、新たな科学知識に基づく革新的技術のシーズを創出することを目的とした基礎研究を推進します。

2.事業の概要

国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズなどを踏まえ、「戦略目標」を国(文部科学省)が設定し、そのもとに推進すべき研究領域と研究領域の責任者である研究総括(プログラムオフィサー)をJSTが定めます。研究総括は、戦略目標の達成へ向けて、科学技術イノベーションを生み出す革新的技術シーズの創出を目指した基礎研究を推進します。

本事業のうち、「CREST」「さきがけ」「ACT-I」では、研究総括が研究領域をバーチャル・ネットワーク型研究所として運営します。研究領域ごとに研究提案を募集し、研究総括が領域アドバイザーらの協力を得ながら選考します。研究領域のもとで、選定された研究代表者が研究チームを編成し(CREST)、または研究者が個人で(さきがけ、ACT-I)、研究を推進します。

図

図1 研究の実施体制(CRESTの場合)

図

図2 研究の実施体制(さきがけ/ACT-Iの場合)

3.各研究タイプの概要と特徴

(1)「CREST」の概要と特徴

(2)「さきがけ」の概要と特徴

(3)「ACT-I」の概要と特徴

4.文部科学省のAIPプロジェクト(人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト)における役割について

AIPプロジェクトは文部科学省において今年度より開始された事業であり、世界最先端の人材を結集し、革新的な人工知能技術を中核として、ビッグデータ・IoT・サイバーセキュリティを統合した研究開発を行う拠点を理化学研究所に新設し、イノベーションを切り開く独創的な研究者などを支援する公募プログラムをJSTの戦略的創造研究推進事業の一部として推進します。

JSTでは、関係する研究領域群を「AIPネットワークラボ」と称して、今回の研究提案募集を実施するとともに、AIPプロジェクトの成果最大化に向けて関係研究機関と連携していきます。

5.各研究タイプの研究費や研究期間など

原則として下記の通りですが、CREST新規研究領域「イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化」は融合加速方式を採用するため、研究費・研究期間が異なります。詳細は募集要項の「募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針」をご確認ください。

研究タイプ 研究期間内の研究費総額 研究期間
CREST 1.5~5億円 5年4ヶ月以内
さきがけ 3~4千万円 3年4ヶ月以内
ACT-I 300万円を標準
(加速フェーズ(注):さらに年間最大1,000万円程度)
1年4ヶ月以内
(加速フェーズ:さらに2年以内)

(注) 加速フェーズ:研究開始1年後を目処に実施する進捗評価の際に、研究を引き続き支援することでより一層大きな成果が期待される研究課題については、「加速フェーズ」として、年間最大1,000万円程度の研究費をさらに最長2年間支援します。

6.研究提案を募集する研究領域と募集期間

平成28年度の第2期に研究提案を募集する研究領域と募集期間は、以下の通りです。

募集期間: 平成28年6月1日(水)~7月27日(水)正午
(CREST、さきがけ、ACT-I 全て同期間)

CREST

戦略目標 研究領域とその概要 研究総括 研究領域
発足年度
急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 『イノベーション創発に資する人工知能基盤技術の創出と統合化』
【概要】
本研究領域では、実社会の膨大なデータを知的・統合的かつセキュアに収集・処理・学習・制御するための人工知能基盤技術と、その成果を組み合わせることにより社会問題の解決と産業の自動化・最適化に貢献するイノベーション創発に資する技術の確立を目指します。
栄藤 稔
(NTTドコモ 執行役員 イノベーション統括部長)





人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発 『人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築』
【概要】
人間と機械の協働により新たな知を創出し、人・集団の知的活動の質向上を実現する知的情報処理システムを目指した研究開発を推進します。
萩田 紀博
(国際電気通信基礎技術研究所 取締役/知能ロボティクス研究所 所長)





さきがけ

戦略目標 研究領域とその概要 研究総括 研究領域
発足年度
急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 『新しい社会システムデザインに向けた情報基盤技術の創出』
【概要】
本研究領域では、情報技術に基づいた社会変革の時代に対応し、これからの新しい社会システムのデザインを可能にするための情報基盤技術の創出を目指します。
黒橋 禎夫
(京都大学 大学院情報学研究科 教授)





人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発 『社会と調和した情報基盤技術の構築』
【概要】
より良い社会の実現を目的とする情報基盤の要素技術の研究と、それらの技術を対象とする社会と調和させるために必要な制度や運用体制、ビジネスモデルまでも含めた総合的な議論と実践を行う場を提供します。
安浦 寛人
(九州大学 理事・副学長)





分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

ACT-I

戦略目標 研究領域とその概要 研究総括 研究領域
発足年度
急速に高度化・複雑化が進む人工知能基盤技術を用いて多種膨大な情報の利活用を可能とする統合化技術の創出 『情報と未来』
【概要】
本研究領域では、情報学における研究開発によって未来を切り拓く気概を持つ若手研究者を支援します。人工知能、ビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティなどを含む、情報学に関わる幅広い専門分野において、新しい発想に基づいた挑戦的な研究構想を求め、今後の学術・産業・社会・文化を変えていくような多種多様な研究開発を推進します。
後藤 真孝
(産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員)





人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発
分野を超えたビッグデータ利活用により新たな知識や洞察を得るための革新的な情報技術及びそれらを支える数理的手法の創出・高度化・体系化

なお、研究提案者として応募できるのは「CREST」、「さきがけ」、「ACT-I」のいずれか1件のみです。重複して応募することはできません。

研究提案募集(第1期)に応募された方も、研究提案募集(第2期)に応募することができますが、採択されるのは1領域のみです。第2期に応募している方が第1期で採択候補となった際は、いずれか一方の応募を選択していただきます。

7.研究提案の受付方法

平成28年度の応募は「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)」により受け付けます。

府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ポータルサイト
URL:http://www.e-rad.go.jp/

8.研究提案募集に関するお問い合わせ先

研究提案募集ホームページのお問い合わせフォームをご利用ください。
URL:http://www.senryaku.jst.go.jp/teian.html

科学技術振興機構 戦略研究推進部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
松尾 浩司(マツオ コウジ)
E-mail: 募集専用Tel:03-3512-3530
お問い合わせは、かならず電子メールでお願いします(お急ぎの場合を除きます)。