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別紙2

「リサーチコンプレックス推進プログラム」 採択拠点の概要

中核機関:国立研究開発法人 理化学研究所
拠点名:「健康“生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス」

世界に先駆けて超高齢化社会に突入している日本では、長く元気に活躍できる社会の実現が期待されています。そのためには高齢者だけではなく、壮年、若年からの健康維持や健康増進が重要です。私たちの周りには、さまざま健康情報があふれています。しかし、今の自分に何が最適な選択なのか、その選択によって将来の自分の健康状態がどうなっていくのかを予測することは非常に困難です。これは、人間の健康というものが、食事、運動、精神状態、睡眠、環境、遺伝的背景などさまざまな要因により影響を受け、日々刻々と変化するものであり、生体内の反応は分子レベル、細胞レベル、全身レベルをまたいで起こるため、これらを総合的に理解するのが非常に困難であるためです。

「健康“生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス」では、より正確な健康維持・増進への指針、つまり「羅針盤」の提供を目指します。そのために、先端医療技術の研究開発拠点「神戸医療産業都市」に、理化学研究所および国内外の大学・研究機関で中心的に活躍している研究人材を結集して、ライフサイエンス、ナノテクノロジー、計測科学、デバイス、コンピューター科学を融合し、“ヒト”に関する解析データなどの統合的な理解を進め、将来の自分の健康状態を予測するために必要なコンピューター上での「仮想自身」の構築を、さまざまな業界と連携し、推進していきます。

この取り組みを通して得られた新たな知見やデータは、健康関連産業の大きな基盤を形成し、新たなサービスや製品など、さまざまな業界への波及が期待されます。同時に新しいビジネスアイディアを創出、速やかに実現へ向かわせるための仕組みや事業家の育成システムの構築も行い、「健康科学に基づいたビジネス」の国際的拠点となるべく全力をあげて取り組みます。