課題名 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 課題概要 | |
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中国側 研究代表者 |
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1 | 棘皮動物と脊索動物の発生プログラムから目指す遺伝的進化度の構築 | 入江 直樹 | 東京大学 大学院理学系研究科 准教授 |
本研究は、脊椎動物に一番近い動物門に属し左右相称動物のなかでも例外的な進化を遂げた棘皮動物のゲノムと遺伝子発現情報を大量に取得・解析し、脊椎動物と比較することにより、動物の胚発生における分子発生プログラムが共通祖先からどの程度変化したかの指標(進化インデックス)を構築することを目的とする。 具体的には、日本側は超高速シークエンサーを用いて発生時系列のRNA配列を決定し、中国側はゲノム配列の決定を担当し、双方で脊椎動物の分子発生プログラムとの比較解析を行う。 本研究により、動物の器官形成,再生を含めた形づくりの設計図の進化(ボディープラン進化)についてゲノム情報からの理解が進み、進化的に保守的な分子発生プログラムの同定や、動物の形態や臓器の形成に関わる遺伝子基盤を推定する方法論の確立が期待される。 |
ウェン ワン | 中国科学院 昆明動物学研究所 教授 |
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2 | 日華植物区系区の暖温帯林におけるキーストーン植物の系統多様化と遺伝的変異分布パターンの時空間解析 | 井鷺 裕司 | 京都大学 大学院農学研究科 教授 |
本研究では、日華植物区系区(主に日本・中国からヒマラヤにかけての地域)において、生態的に重要な植物種(キーストーン種)を対象に、ゲノム情報を活用して、過去の気候変動に対する個体群変動と適応進化を解明する。 具体的には、日華植物区系区における複数の植物を対象に次世代シークエンサーによるゲノム情報の解読、中立および適応的遺伝子座における遺伝的変位の空間分布や変遷の解析を行い、さらに、日本側は生態モデル解析、中国側はDNA塩基配列情報を用いた系統地理解析などを行う。 本研究により、生物多様性保全に対するゲノミクスの有効性を実証するとともに、地球環境変動に対する植物応答の予測がゲノム情報を用いて可能となることが期待される。 |
インシォン チウ | 浙江大学 生命科学部 教授 |