JST(理事長 中村 道治)は、平成27年度 国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)注1)日本-ヴィシェグラード4ヵ国(V4)共同研究において「先端材料」分野で5ヵ国6機関注2)による共同研究課題の募集を行い、新規課題として以下の5件の共同研究課題を支援することを決定しました(別紙1)。
(1)「高In組成InGaNの高品質エピタキシャル成長と次世代ディスプレイ・照明及び通信用光源と高効率太陽電池」
日本側研究代表者 | : | 天野 浩 教授(名古屋大学) |
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ポーランド側研究代表者 | : | マイク・レスチンスキ 研究室長(ポーランド科学アカデミー) |
チェコ側研究代表者 | : | ホリー・バクラフ 教授(カレル大学) |
本研究は、次世代究極効率ディスプレイおよび照明用光源、4K8K対応、および移動体内用低コスト大容量光ファイバ通信用光源、究極効率太陽電池用材料として期待される高In組成InGaNの結晶成長技術の構築を目指す。
(2)「金属-IV族半導体ナノ複合体のナノフォトニクス:単一ナノ粒子から機能性集合体まで」
日本側研究代表者 | : | 藤井 稔 教授(神戸大学) |
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チェコ側研究代表者 | : | ヤン・バレンタ 教授(カレル大学) |
ハンガリー側研究代表者 | : | アダム・ガリ リサーチアドバイザー、リサーチグループリーダー(ハンガリー科学アカデミー) |
スロバキア側研究代表者 | : | イヴァン・スティッチ チーフサイエンティスト(スロバキア科学アカデミー) |
ポーランド側研究代表者 | : | ロムアルト・バルトウォミェイ・ベック 教授(ワルシャワ工科大学) |
本研究は、低環境負荷材料であるシリコンのナノ結晶と金属ナノ構造からなる新複合ナノ材料を創成し、その電子デバイス応用とバイオ応用を検証することを目的とする。
(3)「先進ナノ酸化物の創製と構造・電気化学特性の関係解明による次世代蓄電デバイスの開発」
日本側研究代表者 | : | 鈴木 久男 教授(静岡大学) |
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スロバキア側研究代表者 | : | ウラジミール・シュペラック 教授(スロバキア科学アカデミー) |
チェコ側研究代表者 | : | ラディスラフ・カヴァン 教授(J・ヘイロフスキー物理化学研究所) |
ポーランド側研究代表者 | : | ダリウス・オレシャック 准教授(ワルシャワ工科大学) |
本研究は、全固体型および薄膜型二次電池について、原料粉体の構造とその特性を詳細に研究して実際の電池特性と比較することで、高性能次世代型二次電池の開発を実現することを目的とする。
(4)「高い安定性を有するGaN-MOSトランジスタスイッチ」
日本側研究代表者 | : | 橋詰 保 教授(北海道大学) |
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スロバキア側研究代表者 | : | ヤン・クズミック 研究部長(スロバキア科学アカデミー) |
ポーランド側研究代表者 | : | ボグスラバ・アダモヴィッチ 准教授(シレジアン工科大学) |
ハンガリー側研究代表者 | : | ラヨシュ・トート 主任研究員(ハンガリー科学アカデミー) |
本研究は、高い動作安定性を持つGaN MOS型高電子移動度トランジスタ(GaN MOS-HEMT)の基盤技術を構築し、次世代インバータに応用することを目的とする。
(5)「難加工性マグネシウム合金管を対象としたレーザダイレス引抜きのマルチスケールモデル」
日本側研究代表者 | : | 古島 剛 助教(首都大学東京) |
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ポーランド側研究代表者 | : | アンドリ・ミレニン 教授(AGH科学技術大学) |
チェコ側研究代表者 | : | ジリ・ネメチェック 准教授(チェコ工科大学) |
本研究は、難加工性マグネシウム合金細管を対象にしたレーザダイレス引抜きのマルチスケール解析手法を開発し、高強度・高延性を実現するマグネシウム合金細管を、金型を使わずに創製し、自動車の軽量化部材や医療用生体吸収性材料への適用を目指す。
今回の共同研究課題の募集は、平成27年1月22日~4月10日に実施され、計56件の応募がありました。第三国の専門家による査読評価をもとに、各国が指名した研究者6名で構成されたScientific Committeeおよび各参加機関によるFunding Organization Meetingにおいて協議を行い、各国がともに支援すべきとして合意した5件を支援課題として決定しました。各国とも平成27年10月を目処に支援を開始し、研究期間は支援開始から3年間を予定しています。