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別紙1

戦略的創造研究推進事業 ACCEL
平成27年度第2期新規課題 概要

【研究開発課題】

課題名:「濃厚ポリマーブラシのレジリエンシー強化とトライボロジー応用」
研究代表者: 辻井 敬亘(京都大学 化学研究所 教授)
プログラムマネージャー : 松川 公洋

戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)では、高弾性・超低摩擦性・生体適合性などの優れた性質を持つ「濃厚ポリマーブラシ」(CPB)の高度階層化を実現しました。さらに、表面形成技術の革新による飛躍的な厚膜化の実現およびマクロな系での優れたトライボロジー注1)特性の実証により、実用機械システムへの応用の可能性を示しました。

ACCELでは、機械の可動部を構成する軸受やシールなどの機械要素の表面に濃厚ポリマーブラシを適用することで、従来技術では困難だった強靱性(レジリエンシー)と低摩擦性の両立を実現し、機械製品の長寿命化と省エネ化を目指します。

PMとして、企業との共同研究を幅広く実施し、企業の技術支援、産学連携プロジェクトの経験も豊富である松川 公洋氏を配置し、技術的成立性の証明・提示(POC)を目指した出口指向の戦略的な研究マネジメントを推進します。

<目指すビジョンの図>

注1)トライボロジー
固体面の接触、摩擦、摩耗、潤滑に関連する諸問題を対象とする科学技術の一分野。
注2)ストライベック線図
潤滑面の摩擦係数に及ぼす潤滑剤の粘度、平均速度、垂直荷重の影響を表す。潤滑機構と関連し、機械設計の基礎となるデータ。低粘度、低速度、高荷重条件におけるレジリエンシー強化が重要な技術的課題。