1.プログラムの目的
本プログラムは、国内外に散在しているライフサイエンス分野のデータやデータベースの共有を強力に促進し、公共財として誰もが自由に活用できるようにするとともに、生物種やプロジェクトを超えて幅広い統合化を実現することにより、より多くの分野の研究者、開発者、技術者に簡便に利活用できるようにして、データの価値を最大化することを目指しています。すなわち、データの共有、統合を通して、日本のライフサイエンス研究の成果をあまねく行き渡るようにするとともに、それを十分に活用できる環境を構築することにより、ライフ分野におけるイノベーションを促すことが本プログラムの目的です。
2.選考の観点
(対象とするデータベースに関して)
ア.データベースとしての重要性
- ① 目指しているデータベース統合化が日本のライフサイエンス研究やバイオ産業につながる研究開発の発展に不可欠なものであること。
- ② 生物種や個々の目的やプロジェクトを超えて幅広い統合化を実現すること、もしくは、代表的なデータバンクとして研究の利便性が大きく上がることを目指すものであること。
- ③ 関連した研究コミュニティ、学会などから十分な支援が得られ、統合データベースは、日本の中核、拠点となるデータベースで、日本を代表するものであること。
イ.データベースとしての汎用性、国際性
- ① 多くの利用者確保に関して、十分な見通しがあること。また、そのために網羅性に加えて、データの汎用性を高めるための方策が明確であること。
- ② データ統合対象領域におけるデータ収集のフォーマットやオントロジーの標準化に向けた工夫がなされていること。
- ③ 研究開発成果が、国際的に通用するものであること。具体的には、外国にある類似の著名データベースと連携する予定がある、あるいは遜色ないアクセス数が見込まれること。
ウ.データベースの公開、データの再配布
- ① 本プログラムで構築されたデータベースは基本的にすべて無償で公開、ダウンロード可能であること。
- ② NBDCのアーカイブサイト(http://dbarchive.biosciencedbc.jp)から無償で提供可能であること。
- ③ 原則として、産業界からも学界からも、制約なく無償で利用可能であること。より具体的には、クリエイティブコモンズのCC BY-SAで提供可能であること。
- ④ ヒトに関するデータなどの機微情報に関しても、制限付きアクセスで利用可能であること。
- ⑤ 本プログラムの研究開発課題に関連して研究代表者グループおよび共同研究グループが保有している全てのデータ(過去に取得したデータも含まれる)について、 本プログラムで構築されたデータベースに格納し、公開されること。
エ.データベースの実現可能性、持続性
- ① データベースの維持更新に関して持続可能性を確保する戦略を備えていること。また、そのための自動化や省力化の方策がはっきりしていること。
- ② 統合化に向けた目標設定・計画が具体的かつ明確であり、その実現の可能性が高いこと。
- ③ 研究開発計画が、その成果を長期間にわたって維持改善することを考慮したものであること。
オ.既存課題データベースとの接続性、補完性
- ① 統合化推進プログラムで構築されている既存の統合データベースとの補完性、接続性が高いこと。
(研究開発課題を推進するための研究開発体制に関して)
カ.研究開発体制の適切性
- ① 研究代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていること。
- ② 研究代表者は、研究遂行のための研究開発実績と、研究チーム全体についての責任能力を有していること。
- ③ 研究代表者および主たる共同研究者が所属する研究機関は、当該研究分野に関する研究開発力などの技術基盤を有していること。
キ.研究開発費執行の適切性
- ① 研究代表者の研究開発構想を実現する上で適切な研究開発費計画であること。研究開発のコストパフォーマンスが考慮されていること。
ク.人材育成への考慮
- ① 研究開発費で雇用する若手博士研究員に対する多様なキャリアパスを支援する活動計画が提示されていること。
3.研究開発期間
3年(平成27年4月1日~平成30年3月31日)
4.研究開発費の規模
1件あたり3,000万円程度~5,000万円程度/年