【光技術を用いたものづくり】
課題名 | 各国研究代表者・所属・役職 | 課題概要 | |
---|---|---|---|
1 | ボトルシップ型バイオチップ高機能化のためのフェムト秒レーザー先端加工技術の開発 (FEASIBLE) |
杉岡 幸次 独立行政法人 理化学研究所 光量子工学研究領域 ユニットリーダー |
本研究は、µ-TAS(Micro Total Analysis System)やLOC(Lab on a Chip)などのバイオチップを高機能化するボトルシップ型集積レーザー加工技術を開発することを目的とする。 具体的には、日本側は感光性ガラスを用い、マイクロ光学素子や流体制御素子を集積化した多層バイオチップの作製技術の開発を担当する。イタリア側は石英ガラスを用い、生物分子のラベルフリー検出などを可能とする高機能バイオチップの作製技術の開発を担当する。ハンガリーはフェムト秒レーザー加工技術に空間光変調器を用いたビーム操作技術を導入し、プロセスを高効率化・高解像度化する技術の開発を担当する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、高機能なバイオチップを実現する新たなレーザー加工技術が確立されることが期待される。 | 〇レベッカ・マルティネス・バスケス イタリア学術研究会議 フォトニクス・ナノテクノロジー研究所(IFN-CNR) スタッフ研究員(イタリア) |
ロラーンド・ケレメン ハンガリー科学アカデミー 生物研究センター 生物物理学研究所 研究員(ハンガリー) |
2 | 量子情報デバイス応用のためのフェムト秒レーザーによるダイヤモンド光回路の微細加工 (DiamondFab) |
三浦 清貴 京都大学 大学院工学研究科 教授 |
本研究は、量子情報通信に必要な単一光子源を持つダイヤモンドを用いた光回路を作製するために、フェムト秒レーザーと空間光変調器を用いたダイヤモンド内部への光導波路構造を作製する技術開発を目的とする。 具体的には、日本側は光反応ダイナミクスの観測による光導波路構造の形成メカニズムの解明を担当し、イタリア側はダイヤモンド内部に光導波路を作製する技術の開発を担当する。トルコ側は作製した光導波路の評価と応用の検討を担当する。 日欧の研究チームがそれぞれ得意とする基礎メカニズムの解明・微細加工・応用について相互補完的に取り組むことで、これまで困難であったダイヤモンドを用いた光集積回路の実現が期待される。 | 〇ロバータ・ランポーニ イタリア学術研究会議 フォトニクス・ナノテクノロジー研究所(IFN-CNR) 所長(イタリア) |
アリ・サーペングーゼル コチ大学 マイクロフォトニクス研究所 所長(トルコ) |
3 | 半導体・金属複合ナノ構造のフェムト秒レーザーパルス照射によるプラズモン増強テラヘルツ波発生 (FemtoTera) |
迫田 和彰 独立行政法人 物質・材料研究機構 先端フォトニクス材料ユニット ユニット長 |
本研究は、半導体と金属の複合ナノ構造を利用した、効率的なテラヘルツ電磁波の発生技術の開発することを目的とする。 具体的には、日本側は金属ナノ粒子のプラズモン共鳴などの電磁界解析、半導体ナノ構造の分光測定、および、非線形光学現象の評価を担当する。イタリア側は複合ナノ構造の創製技術の開発、電子状態の理論解析、および、超短レーザーパルスの発生とこれを利用した超高速分光研究を担当する。ハンガリー側はナノ構造の成長過程の理論解析を担当する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、情報・通信、生体・医療、非破壊検査、保安検査、食品・農産品の品質管理などの分野における革新的な計測技術やイメージング技術の開発につながることが期待される。 | 〇ステファノ・サングィネッティ ミラノ・ビコッカ大学 物質科学科 教授(イタリア) |
アーコス・ネムチッチ ハンガリー科学アカデミー 応用物理・物質科学研究所 上席研究員(ハンガリー) |
4 | CMOS技術と機能性強誘電体薄膜を用いた新規フォトニックデバイスの開発 (FF-Photon) |
篠崎 和夫 東京工業大学 大学院理工学研究科(工学科) 教授 |
本研究は、CMOS技術に適合する条件で、シリコンウェハー上に高い電気光学特性を持つ強誘電体薄膜の作製技術を開発し、新しい超小型低消費電力プラズモニック光学デバイスの作製とその優位性を示すことを目的とする。 具体的には、日本側はシリコンウェハー上への強誘電体薄膜の集積技術の構築を担当する。スイス側はデバイス設計と作製を担当し、イタリア側はデバイス評価を担当する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことで、強誘電体薄膜の電気光学特性が解明され、シリコンウェハーに集積されたマイクロメートルサイズの超小型フォトニックデバイスが経済的かつ実用化に適した形で製作されることが期待される。 | 〇ユルク・ロイトホルト スイス連邦工科大学チューリッヒ校 電磁界研究所(IEF) 所長(スイス) |
マリオ・マルティネリ ミラノ工科大学 電子・情報・生物工学科(DEIB) POLICOM研究室長(イタリア) |
※氏名に〇がある研究者がプロジェクトリーダー