開発課題名 |
チームリーダー 氏名 |
チームリーダー 所属・役職 |
開発概要 |
ナノフォーカスX線源とナノトモグラフィーの開発 |
北 重公 |
名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授 |
デバイスの積層構造を観察・解析する手法の開発は、半導体産業において緊急の課題であります。また、生体細胞内部の微小領域可視化は生体機能の解明に不可欠であります。これらの課題への決定策となるのは“微細構造三次元可視化”であり、このための電子スキャン型「高輝度・極微小焦点型X線源」を開発し、次いでそれを基幹要素とする微細組織X線断層撮影法(仮称:ナノトモグラフィー)の開発を目指します。 |
先端通信技術を用いた高感度超音波立体視センサ |
谷口 研二 |
大阪大学 大学院工学研究科 教授 |
超音波を繰り返し発生させ、被測定対象物からの反射信号を2次元超音波アレイセンサで受け、コード発生器との位相差を読み取って立体画像の抽出を行う立体視センサを開発します。本方式の実現により、超小型(1cm3以下)で安価(量産時:1,000円以下)な立体視センサを用いた三次元的な距離計測がリアルタイムで可能となり、ロボットの目や車載衝突防止センサ、医療機器などへの応用が期待できます。 |
汎用走査プローブ顕微鏡シミュレータ |
塚田 捷 |
早稲田大学 大学院理工学研究科 教授 |
探針によりナノ材料の構造と物性を原子尺度で測る走査プローブ顕微鏡は、ナノテクノロジーの必須の計測技術ですが、探針・試料間の量子力学的相互作用による像を解析する実用的な理論数値シミュレータは存在せず、その大きな可能性が発揮されていません。そこで、走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、ケルビン力顕微鏡などの計測を支援し、実験室のPCクラスタで計測データを解析するための汎用SPMシミュレータを開発します。 |
超高感度質量分析のためのサンプル前処理・導入システムの開発 |
夏目 徹 |
独立行政法人産業技術総合研究所 生物情報解析研究センター・機能ゲノムグループ タンパク質ネットワーク解析チーム・チームリーダー |
最新の質量分析計は10-18モルという超微量のタンパク質を検出することが理論的には可能です。しかし、タンパク質一つ一つが様々な形状・性質を持ち不安定なため、容易に吸着分解・消失してしまい、実際には、超高感度分析を行うことは極めて困難です。この問題を克服し、質量分析によるタンパク質解析の感度を飛躍的に向上させるため、ここ数年急速に進歩した超微細金属成形加工法(精密電鋳)と精密ロボットを組み合わせたサンプル前処理・質量分析導入システムの開発を行います。 |
4探針STMの制御系および多機能ナノチューブ探針の開発 |
長谷川 修司 |
東京大学 大学院理学系研究科 助教授 |
走査トンネル顕微鏡(STM)に4本の探針を組み込み、お互いの位置関係を認識しながら独立に駆動して電気計測を可能とする「4探針STM制御系」、および金属層や誘電体層で被覆して多様な機能をもたせた「被覆型カーボンナノチューブ探針」を開発します。これにより次世代ナノテクノロジーのためのナノスケール電気計測法として「4探針STM法」を確立し、さらに今までにない画期的な「グリーン関数STM法」を実現します。 |
ナノ物体計測のための操作観測技術の開発 |
藤田 博之 |
東京大学 生産技術研究所 教授 |
単一DNA分子を水中で捕まえ、外部にも取り出せるDNAピンセットをマイクロマシン技術で作ります。pNオーダーの力計測や、DNA分子による塩基認識タンパク質の捕獲と機能評価の技術を開発し、さらに原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡による観測技術を融合することで、ナノ物体の電気・機械特性を計測するマイクロマシンツールを得ます。個々のナノ物質の様々な特性を、物質を見ながら計測できる技術としてナノテクノロジーの研究へ多大なる貢献が期待できます。 |
生体分子のオンチップ分離・回収と1分子機能解析 |
船津 高志 |
東京大学 大学院薬学系研究科 教授 |
光学顕微鏡による1分子検出・操作技術と半導体微細加工技術を融合させ、チップ内で生体分子の機能を1分子レベルで計測する技術、および生体試料を微小流路に流し、蛍光標識した分子を1分子ずつ分離・回収することにより、それと結合している分子を同定する技術を開発します。本手法は、生体分子の機能解析や生体分子間相互作用の解析を行うための強力な分析技術であり、ポストゲノムのタンパク質機能解析に大きく貢献します。 |
低速・軽イオン励起特性X線の精密分析技術 |
古屋 一夫 |
独立行政法人物質・材料研究機構 超高圧電子顕微鏡ステーション ステーション長 |
数k~数十keVのエネルギーを持つ正電荷のイオンを、非電気伝導体の物質に照射することにより発生する低エネルギーのX線を測定することで、これまで極めて難しかった物質中のホウ素、炭素、窒素、酸素等の軽元素を高感度で分析する技術を確立します。本技術は小型の収束したイオンビームを用い、X線の新しい検出方式を実用化することで可能となり、他の分析機器とも容易に組み合わせて使用できるものです。 |
X線位相情報による高感度医用撮像技術の開発 |
百生 敦 |
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 助教授 |
X線位相情報を利用することにより、生体軟組織に低感度な従来のX線透視画像に比べ感度を最大約1,000倍改善したX線撮像技術を開発します。これまでSR光源からのX線を用いた研究を行ってきましたが、医療応用などの実用への鍵となる小型X線源の利用が難しいことが問題でした。本開発では、LIGAプロセスで製作するX線回折格子と小型X線源を用いる新しい光学設計が特徴であり、非破壊検査など医療分野を筆頭としたX線画像が関係する分野での質的変革を目指し ます。 |
薬物・医療スクリーニングを目指したオンチップ・セロミクス計測技術の開発 |
安田 賢二 |
東京大学 大学院総合文化研究科 助教授 |
1細胞単位で細胞集団の空間配置・種類・数などの「パターン」を制御することにより、臓器組織と同様な応答を期待できる「細胞集団ネットワーク」をマイクロチップ上に構築します。これを薬物・医療スクリーニングに用いる「臓器モデルとなる細胞集団ネットワーク」計測手法の確立に役立てます。これらの技術により、動物実験に代わる新しい細胞ネットワーク計測の産業化を実現します。 |
超微量用固体NMRプローブの開発 |
山内 一夫 |
東京農工大学 大学院共生科学技術研究部 助手 |
超微量のサンプルについて、固体NMR観測を可能とする、微量サンプル用のマイクロコイルプローブを開発します。固体NMRは一般的に測定感度が低いために多量のサンプルを必要とし、現在ミリグラム以下の微量の試料についてはNMRが適用できていません。マイクロコイルプローブの製作および、新しいサンプル調整技術などを開発し、ナノグラム単位の微量試料のNMR観測を実現します。 |