参 考(評価対象事業の概要)


参 考 (評価対象事業の概要)
委員会では機関評価の実施に当たり、評価対象事業の説明を受けたがその概要は次のようであった。
(1) 文献情報関係事業
情報基盤整備事業(情報の収集・加工)関係
 当事業は旧日本科学技術情報センター(以下、JICST)からの継続事業であり昭和33年3月から実施している。
(ア) 目的・内容
a 資料の収集
国内外から科学技術に関する約12,000種余の逐次刊行物(主に学協会誌)、その他技術レポート、会議資料(国際会議)、予稿集、公共資料(いわるゆるGray literature)等を収集し、情報編成システムにより登録、保存管理を行う。
b 「情報の収集事業」にて収集した文献を対象に、我が国の科学技術振興に寄与すべく有用な記事を選択し、オンライン・データベースとして提供するために、書誌データの整備、抄録作成、索引作成、国内文献の一部英語への翻訳等情報加工を行っている(P38 情報の加工フローチャート参照)。データの授受はほぼ100%電子化されている。
(イ) 体制及び予算
職員 129名、委託機関として国内20機関、海外(中国・韓国)4機関、個人抄録者1,600名
平成11年度認可予算(情報の収集)   500百万円
             (情報の加工) 4,975百万円
(ウ) 業務実績・成果
a 作成データベース
名 称 対象情報 提供情報件数
/年間
累積件数
(平成11年末)
JICSTファイル
(昭和50年開始)
科学技術文献 70万件 1298万件
JMEDICINEファイル
(昭和56年開始)
日本国内の医学関連分野
の文献
25万件 406万件
JICST-EPlusファイル
(昭和60年開始)
日本国内の科学技術文献
(英文データベース)
25万件 340万件
JQUICKファイル
(平成2年開始)
JICSTファイル収録
前の書誌情報等の速報
90万件 301万件
JCHEMファイル
(平成8年開始)
化学物質の商品名、体系
名等の名称
15万件 114万件
情報提供事業関係
(ア) 目的・内容
我が国において科学技術情報の収集・加工・提供を総合的に行っている唯一の機関として、情報の収集および加工事業の成果を基に、以下の情報提供事業を行っている。
a オンライン情報サービス---JOISは情報の加工事業で構築されたデータベースをオンライン検索システムで有料にて国内外に供している(昭和51年度から開始。現在17種類のデータベースを供している)。平成9年5月から、一般国民が容易に検索利用できる様、インターネットから利用できるWeb版の提供も行っている。また昭和62年11月からSTN国際科学技術ネットワーク事業に参画し我が国の科学技術情報の国際的発信及び世界の 200以上のデータベースの利用を可能にしている。平成9年10月からJOIS経由でSTNサービスの一部の利用を可能にするJOIS with STN システムを運用している。
b 科学技術文献速報等の出版サービス---上記データベースを同時に冊子体およびCD-ROM(日本語)にて供している(有料)。また、機関誌『情報管理』(月刊)を編集・発行し、主に情報管理および利用技術の啓蒙を図っている。
c 複写・翻訳等の受託サービス---情報の収集事業にて収集した資料を、利用者の求めに応じ複写提供を行っている。また、外国文献の複写物等の翻訳を求めに応じ行っている。
d 研究集会・講習会等の開催---主に情報管理および利用技術に関する研究の発表の場として情報科学技術研究集会を(年1回)開催している他、情報管理担当者のための各種研修会を実施している。またオンライン情報検索技術の普及のために講習会を開催している。
(イ) 体制及び予算
職員 94名
平成11年度認可予算 6,203百万円
(ウ) 業務実績・成果
売上げ状況
平成11年度目標 平成10年度実績
オンライン 58.4億円 55.8億円
 JOIS 33.2億円 32.5億円
 STN 25.2億円 23.3億円
出版物 8.2億円 10.8億円
 うち定期出版物 7.2億円 7.3億円
受託サービス
 (複写、翻訳、受託検索等)
27.0億円 26.7億円
その他 0.4億円 0.4億円

合計 94.0億円 93.7億円
投入資金と事業収入
昭和32年度から平成10年度までの投入資金は1,734億円
(但し、職員人件費・管理費等は除く)、事業収入は1,333億円
事業の全体収支関係

 当事業の平成11年度の収支は以下のようになる(但し、職員人件費・管理費等は除く)。
 支出(情報基盤整備事業費及び情報提供事業の認可予算)
情報の収集・加工事業予算---54.8億円
情報提供事業予算---62.0億円    計---116.8億円
 収入(情報提供売り上げ:11年度目標)---約94.0億円
 収支 ▲22.8億円
情報の加工フローチャート
(2) 一般会計事業(公募型事業を除く)
高機能基盤データベース開発事業
(ア) 目的・内容
 昭和63年度から産業投資特別会計事業として質量スペクトル、熱物性、DNA等5種のファクトデータベースを提供していたが、収益性を見込むことは困難であると判断し平成6年度に中止した。
 平成7年10月から、計算科学技術の発達と情報流通ネットワークの高度化を背景として、一般会計により物質・材料及び生命科学の分野において、検索、表示、解析等で高度な機能を有するソフトウェアを組み込んだデータベースの開発を進めている。また、これらのデータベースが持つ様々な機能の開発に必要となる高速計算処理アルゴリズムの研究やデータ解析のために、複合スーパーコンピュータシステムの運用を行っている。
a 高機能基盤物質データベース
「合金」及び「高分子」データベースの開発を進めている。
(a) 合金データベース
 金属、合金、無機物質のミクロな現象を解明するための基礎となる「基礎データベース」、物質の原子レベルの挙動を解明するための「計算物性データベース」、プラント設計や機械設計に必要な「エンジニアリング・データベース(拡散データベース、金属材料強度データベース、基盤原子力用材料データフリーウェイシステム)」の3種類を開発している。
(b) 高分子データベース
高分子材料設計を行うために高分子辞書を組み込んだデータベース部(モノマーデータ、重合情報等)とシミュレーション部からなるデータベースの開発を進めている。
b 高機能生体データベース
 30億塩基対に及ぶヒトゲノム(ヒトのDNA配列の総体)解析が世界的に進められており、日本も積極的に推進するとともに膨大な情報を処理し、利用できるようなデータベースを整備していくことが必要であるとの認識の基に、ヒトゲノムのシークエンシングデータの収集及びその高機能データベース開発を行う。
(a) ヒトゲノムのシークエンシング
 最低1メガベース(100万塩基対)の連続した領域について、国内の有力な解析グループ(慶応大学、東海大学、(財)癌研究会)に解析作業を委託している。
(ヒトゲノムのシークエンシングは平成11年度に終了し、平成12年度からヒトゲノム多型情報の解析作業を研究機関と共同で実施する予定。)
(b) 高機能統合データベースシステムの開発
 シークエンシング゛データの公開及びヒトゲノムの関連情報を提供するため遺伝子領域推定機能、高速ホモロジー検索機能を備えた統合データベースを開発している。
(c) GDB(Genome Data Base)の提供
 米国Johns Hopkins大学が中心となり国際協力のもとで開発されたヒトゲノムの地図情報のデータベースを運営している。
c スーパーコンピュータシステムの運用
 平成9年2月、高機能基盤データベースの開発における利用を目的として計算目的に応じ構成の異なる5種類(大規模数値計算等)の高速計算サーバから構成され全体で約70GFLOPSの処理能力を持つミッドレンジ・スーパーコンピュータシステムの稼働を開始した。
(イ) 体制及び予算
職員 16名
平成11年度認可予算 1,782百万円
(ウ) 業務実績・成果
a 高機能基盤物質データベース
(a) 合金データベース
 基礎データベースは、平成10年度で二元系合金を終了し、平成11年度から多元系に着手している。エンジニアリング及び計算物性データベースは、一部をプロトタイプシステムとして試験的に公開している。
  • 基礎データベース:データ数:41,030件、平成13年度から公開予定
  • 拡散データベース:データ数:1,652件、訪問者数:212件/月
  • 金属材料強度データベース:データ数:2,035件、訪問者数:65件/
  • 基盤原子力用材料データフリーウェイシステム:データ数:7,100件、データベース開発中
  • 計算物性データベース:データ数:344件、訪問者数:188件/月
(b) 高分子データベース
 平成9年度から、線状ホモポリマーを対象とするプロトタイプシステムを試験的に公開している。また実用システムも開発中である。
  • 高分子データベースプロトタイプ:データ数:17,600件、訪問者数: 232件/月
  • 高分子データベース実用システム:データ数:46,500件、平成13年度から公開予定
b 高機能生体データベース
(a) ヒトゲノムのシークエンシング
シークエンシングデータの公開済み配列は約2,000万塩基対(平成 11年6月現在)。日本の貢献は世界の5%程度だが、その半数以上は事業団の成果に基づいている。
(b) 高機能統合データベースシステムの開発
試験的に公開中
訪問者数:1,540件/月(ヒトゲノムシークエンシングデータ)、171件/月(遺伝子領域推定機能)、31件/月(高速ホモロジー検索機能)
(c) GDB(Genome Data Base)の提供
 平成11年度から、メインノードはカナダのトロント(the hospital for sick children)に移り、GDBの維持管理・データ更新が行われることになった。
c スーパーコンピュータシステムの運用
 高機能基盤物質データベース、高機能生体データベースに関連した、第一原理計算による電子構造データの作成や、ヒトゲノム解析のために用いられる他、事業団の基礎研究等の研究支援や計算科学技術活用型特定研究開発推進事業に活用されている。システムの稼働率は常時80%以上である。
研究情報流通促進システム開発事業(分散型デジタル・コンテンツ統合システム)
(ア) 目的・内容
 「経済構造の変革と創造のための行動計画」(平成9年5月16日閣議決定)によって、我が国の産業競争力の維持発展を図るため、より高いレベルの研究開発成果を生み出す環境作りを目指すことが定められた。これを受けて行政機関、情報機関、国立研究機関等のネットワーク上に分散している研究情報資源を一元的に把握し、統合的に案内し検索できるようにするシステムを構築する事業である。このため、各種のサポート機能(大規模用語辞書、化合物辞書等)の整備も行うこととしている。
(イ) 体制及び予算
職員 1名
平成11年度認可予算 320百万円
(ウ) 業務実績・成果
 平成10年度に補正予算でプロトタイプシステムを開発した。平成11年度はプロトタイプシステムを技術的に検証するとともに、本格的なシステムの開発を進めている。
 また、異なった言語・用語で作成された複数のデータベースを統一的な言語・用語で検索するための多言語対応科学技術用語辞書として、180万語程度の大規模電子辞書の整備を平成10年度から進めている。
電子情報発信・流通促進事業(電子ジャーナル)
(ア) 目的・内容
 研究論文等の電子投稿、電子発表は欧米が先行しているが、来るべき電子的な科学技術情報流通時代に対応し、我が国の情報発信機能を強化するため、「科学技術情報発信・流通総合システム」のハード整備、システム開発及び運用体制の確立する。具体的には国内の学術誌、予稿集、研究成果報告書等の電子ジャーナルの迅速な発行の支援及び電子ジャーナルと文献データベースとのリンクによる総合的な科学技術情報流通システムの構築を行う。

 本システムの構築に当たっては、論文の投稿支援、審査支援及び発行支援システムは主として文部省学術情報センター、引用文献リンクシステムは事業団が担当する。両者の開発成果物については、相互利用を図ることとする。
(イ) 体制及び予算
職員 1名
平成11年度認可予算 529百万円
(ウ) 業務実績・成果
 平成11年10月から共同利用施設の24時間年中無休による運用を開始した。現在4誌が利用している。また、現在までに25学会から利用申請書を受理している。
新産業創出総合データベース構築事業(ReaD等)
(ア) 目的・内容
 平成9年4月から、国立研究機関等の研究情報(研究者、研究課題、研究機関、研究資源、研究成果等)を広く一般に公開することにより、研究開発を促進し、新産業の創出に資することを目的として事業を進めている。
研究開発支援総合ディレクトリデータベース(ReaD)のもとに、研究成果展開総合データベース、および地球科学技術情報ディレクトリデータベースが含まれている。
a 研究開発支援総合ディレクトリデータベースの構築(ReaD)
 研究者、研究課題、研究機関、研究資源の情報を公的研究機関等からアンケート調査等により収集し、ディレクトリを作成、提供している。
b 研究成果展開総合データベースの開発
新産業創出を支援するために、事業団の基礎的研究の成果をはじめとする国等の研究成果などの情報を「技術シーズ」データとして提供するとともに、事業団が進めている研究成果展開に関する各種の事業を、わかりやすく案内するシステムを開発し、ReaDのサブシステムとする。
c 地球科学技術情報ディレクトリデータベースの作成
地球科学技術分野における各種の情報をディレクトリとして整理し、ReaDのサブシステムとしてインターネットによる公開を行っている。
(イ) 体制及び予算
職員 4名
平成11年度認可予算 475百万円
(ウ) 業務実績・成果
a 研究開発支援総合ディレクトリデータベースの構築(ReaD)
現在公開しているデータは次の通りである。
・研究者  30,000件 ・研究課題 45,000件
・研究機関  1,200件 ・研究資源 600件
平成11年10月から学術情報センターの大学関係のデータベースとの統合検索を可能とする。
訪問者数:30,000件/月
b 研究成果展開総合データベースの開発
データ数:200件、2,000件作成中、平成12年3月公開予定
c 地球科学技術情報ディレクトリデータベースの作成
データ数:707件、訪問者数:618件/月
研究情報流通高度化事業(省際ネットワーク)
(ア) 目的・内容
  • 省際研究情報ネットワーク(IMnet)として平成8年度から運用を開始した。省庁の枠を超えて国公立試験研究機関、特殊法人等を接続する国内インターネットのバックボーンである。
  • アジア太平洋地域の各国と協力して、アジア太平洋高度研究情報ネットワーク(APAN)を構成することとして平成9年度から運用に参加した。
  • 米国のインディアナ大学と共同で、APANを米国の超高性能ネットワーク(vBNS等)と太平洋回線で接続するプロジェクト(TransPAC)を進め 平成10年度から運用を開始した。
     東京、筑波、大阪、札幌、仙台、福岡にネットワークオペレーションセンターを持ち、それらを東京−筑波:135Mbps、東京−大阪:35Mbps等の回線で接続するほか、対米:18Mbps、対韓国:256kbps、TransPAC: 100Mbpsの海外回線をもつ。国内の101機関(アクセス回線容量の合計 720Mbps)を接続し、内外の学術ネットワークや商用ネットワークと相互接続している。海外はAPANでコアメンバーの韓国、オーストラリア、シンガポール、その他フィリピン、タイ、インドネシア、香港等が参加しているほか、TransPAC経由で米国、カナダ、ヨーロッパの高度ネットワークと接続されている。
(イ) 体制及び予算
職員 4名
平成11年度認可予算 1,800百万円
(ウ) 業務実績・成果
 国内回線の最大時使用量は、東京−筑波間47.7Mbps、東京−大阪間 6.4Mbps。対米回線は18Mbpsである。
研究情報国際流通促進事業
(ア) 目的・内容
 平成9年4月から、アジア太平洋地域における、研究情報流通の促進のために、ReaDや我が国の研究情報の一部を英訳して、インターネットやCD-ROMで公開している。本事業は、APEC産業科学技術ワーキンググループのプロジェクトの一つとしてAPEC諸国に紹介されている。
a 英文ディレクトリデータベースの作成
研究開発支援総合ディレクトリデータベース(ReaD)の研究課題、研究者、研究機関、研究資源の英文ディレクトリデータベースを作成し、インターネットで公開している。
b 研究情報国際流通促進(英文研究情報のCD-ROM作成)
 JICST-Eplusファイルから日本の政府関係機関の研究成果等の情報についてCD-ROMを作成し、APEC諸国へ配布している。
  • JICSTファイルから対象記事を英訳してJICST-Eplusファイルの作成(機械翻訳システムの活用)
  • これまでは産業投資特別会計事業においては、STNやDIALOGを介してJICST-Eplusファイルの海外発信を行っている。
(イ) 体制及び予算
職員 3名
平成11年度認可予算 206百万円
(ウ) 業務実績・成果
a 英文ディレクトリデータベースの作成
訪問者数:1,200件/月
b 研究情報流通促進(英文研究情報のCD−ROM作成)
500枚のCD-ROMを作成しASCA及びAPEC諸国(インドネシア、 スリランカ他24ヶ国、287機関)に配布。
c JOISにおける英文データベースへの質問数:2,525回/年
(3) 一般会計事業(公募型事業)
計算科学技術活用型特定研究開発推進事業
(ア) 目的・内容
科学技術会議21号答申において、計算科学技術は極めて重要であると指摘されたことを背景に、研究情報流通高度化の一環として平成10年度に発足した。
 本事業は、特定研究開発分野において、ネットワークシステムを利用した研究開発の推進に資するため、高速ネットワーク等の情報基盤を利用するとともに、計算科学技術の活用あるいは大容量データ転送・解析を行う研究開発を推進することにより、得られたソフトウエア等の成果をライブラリ化し、流通させることを目的としている。事業には、「基本型」と「短期集中型」の2種類ある。「短期集中型」は平成10年度補正予算で実施中のものであり、研究開発期間が短いためネットワークシステムの利用を条件としていない。(平成11年度終了)
  • 仕組み
     物質・材料、生命・生体、環境・安全、地球・宇宙観測の4分野において、産学官から研究開発課題を公募し、計算科学技術委員会で課題を選考する。選考に際しては、事業団内の「計算科学技術活用型特定研究開発推進事業の課題評価の方法等に関する達」に基づき、計算科学技術委員会で事前評価を行っている。採択課題については、研究者の所属する機関と共同研究あるいは委託研究により研究開発を実施する。なお、研究開発期間終了後、上記の同「達」に基づき、事後評価を実施する。
    • 研究開発期間:「基本型」3年間、「短期集中型」1年間。
    • 研究開発費:年間3〜6千万円(人件費を含む)。
    • 成果の取扱い:知的所有権の共有(原則)、公表(原則)。
(イ) 体制及び予算
職員 5名
平成11年度認可予算 916百万円
(ウ) 業務実績・成果(これまでに研究開発が終了した課題はない)
a 平成10年度に次の課題を採択した。
「基本型」  17課題(平成13年9月まで)
(大学12件、国立研究機関等2件、企業3件)
「短期集中型」50課題(平成12年3月まで)
(大学29件、国立研究機関等10件、企業11件)
b 平成11年度には次の課題を採択した。
「基本型」   4課題(平成14年9月まで)
(大学3件、企業1件)
研究情報データベース化支援事業
(ア) 目的・内容
 平成8年10月から、国立研究機関、学協会、その他の公的機関が、内部に蓄積している研究上有用なデータのデータベース化を支援し、公開することを目的として開始した。
 支援の内容は技術者の派遣、情報機器の貸与、システム開発、データ入力作業協力等である。
  • 仕組み
     公的機関に対し支援課題を募集し、選定委員会での選考を経て課題を決定し、1課題年間3,000万円規模で3年間支援するものである。選考に際しては、事業団内の「研究情報データベース化支援事業の課題評価の方法等に関する達」に基づき事前評価を支援データベース選定委員会で行っている。作成されたデータベース等の成果物は、事業団と共有することとし、IMnet等を通して公開する。なお、データベース化支援終了後、上記の同「達」に基づき、委員会にて事後評価を行う。
(イ) 体制及び予算
職員 2名
平成11年度認可予算 175百万円
(ウ) 業務実績・成果
a 平成8年度採択4課題(平成11年9月まで支援を行い現在公開中)
  • 鉄鋼材料熱履歴データベース[金属材料技術研究所]
    (鋼材に関するデータ2,750件(275種類)、画像データ1,560件、 アクセス数 498件/月)
  • 健康・栄養情報基盤データベース[国立健康・栄養研究所]
    (データ数9,793件、アクセス数154件/月)
  • 生理活性脂質データベース[国立国際医療センター研究所]
    (データ数4,300件(27種類)、アクセス数174件/月)
  • エコシステムデータベース[農業環境技術研究所] 
    (観測データ1,020件(30サイト)、画像データ2,383件、アクセス数 718件/月)
b 平成9年度採択1課題(平成12年9月まで)
  • 地すべり地形分布図データベース[防災科学技術研究所]
c 平成10年度採択課題なし
d 平成11年度採択3課題(平成14年9月まで)
  • 傾斜機能材料データベースの構築[航空宇宙技術研究所]
  • HIV感染症統合データベースの構築[国立感染症研究所]
  • 物性データとリンクした化学事故データベースの構築
    [資源環境技術総合研究所]
(4) 平成12年度新規施策
高機能基盤データベース開発事業 高機能基盤生体データベース開発事業

多型情報データベース開発事業
 多型情報データベース開発事業は、データを体系的に集積し、高度な機能を付与したデータベースの構築を目的とした高機能基盤生体データベース開発事業の一環として 平成11年度補正予算により開始するもので、日本人集団を対象に、遺伝子領域における遺伝暗号の違い(多型)に関する情報を収集し、得られた多型情報についてデータベースを構築するものである。
研究情報データベース化支援事業・重点分野型

 研究情報データベース化支援事業は、国公立試験研究機関等が有用な研究成果として所有する試験・研究データをデータベース化するための技術的及び人的支援を行い、作成されたデータベースを公開し、研究情報の流通を図ることを目的としている。これまで、一般の科学技術を対象に支援を行う「基本型」のみであったが、平成12年度新たに特定分野を対象とした「重点分野型」が予算化された。
 重点分野型においては、公立研究機関等を対象にして、ヒトの疾患に係わる遺伝子を中心に多型情報のデーベース化を支援ことを目的とする。
 支援の内容は、「基本型」と同じく、情報専門家の派遣、情報機器の貸与、システム開発、データ入力等の支援を3年間行う。平成12年度前期から実施する。(「基本型」については、従来通り下期から実施する)
情報基盤整備事業 科学技術動向調査(試行)

 事業団が収集・処理している科学技術情報を通して、最近の科学技術動向を各技術分野毎に概説し、また、各分野の研究開発テーマのトレンドの調査分析資料を作成する。資料の用途として、経営者、営業担当者等専門外の人達が最新の科学技術の全分野の現状を概観するために、また研究者や開発担当者が異分野の動向を知り、学際的・業際的な技術移転のヒントとするための情報資料の開発を目的とする。当面は試作品の作成と評価を行う。

This page updated on June 15, 2000

Copyright©2000 Japan Scienceand Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp