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図2A IR(右)とカベオリン(左、オレンジ色)複合体の拡大図 図2B

図2 GM3によるインスリン受容体(IR)とカベオリン複合体が弱められ、インスリン抵抗性が起こる機構の証明

 IRとカベオリンはカベオラ構造のネック部分の細胞膜内側で結合して存在しており、インスリンの作用を正常に細胞内に伝達し、糖の取り込みを促進します。一方GM3はIRと細胞外で頻繁に接触できると考えられます(A)。IRには膜貫通部位直上に塩基性アミノ酸のリジンが存在します(B)。また、GM3の糖鎖部分は細胞膜上で折れ曲がった構造をとり、シアル酸残基のカルボニル基とリジンのアミノ基が十分近接できると考えられます。従って、GM3が増加したインスリン抵抗性状態では、その負電荷の増大によってIRとカベオリンの結合が弱められて、IRが正常に機能できなくなっていることを証明しました(B)。