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参考2

対人地雷と外形の似た物体との区別ができる爆薬探知センサー

 本プロジェクトでは、5年計画で現地実証試験に提供可能な技術開発を目指し、中期的研究開発課題において、爆薬そのものを探知するセンサーの開発を行いました。
 対人地雷探知では、数百g単位の爆薬量での探知が必要とされています。この程度の少ない爆薬量で地雷を探知することは、現状の技術では困難でした。本プロジェクトでは、従来の中性子利用型センサーやNQRセンサーの小型・軽量化を行い、かつ対人地雷に含まれる爆薬量をも探知する技術を開発しました。これらの地雷探知技術の研究開発分野は世界的にも事例が少ないことから、潜在的可能性を有する先進的センシング手法として期待されます。
 また、広く爆発物探知への応用が可能であり、テロ対策、警備用途での利用が考えられます。
 現在、地雷探知作業には主に金属探知器が用いられており、作業者は金属探知器の反応音をよりどころに探知作業を行っています。しかし金属反応だけに頼る探知器には誤警報が多く、本物の地雷による反応は約1000回に1回の割合ともいわれています。
 本プロジェクトでは、現地実証試験に提供可能な技術開発を目指す短期的研究開発課題において、平成14年度より3年計画で地中を映像化し、地雷を探知する地中レーダー(GPR)に金属探知器を補完的に組み合わせた複合センサーを開発しました。これらの複合センサーは、平成17年度にクロアチア共和国での現地実証試験に技術を提供しました。
 これらの技術により誤探知発生数は大幅に削減されますが、それでもなお地雷と外形の似た空き缶、木の根、石、空洞などは地雷との区別が困難な場合があります。
 今回開発された爆薬そのものを探知するセンサーに、金属探知器や短期的研究開発課題において開発された複合センサーを組み合わせて使用することで、より安全で効率的に地雷を探知することができます。

爆薬探知センサによる対人地雷探知イメージ図