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<用語解説>

注1)偏光特性:
光は電場と磁場が波となって進む電磁波の一種です。電場の方向は、光の進む方向と直交しますが、一般には、その向きは決まっていません。この電場の方向が一方向に揃ったものを直線偏光、あるいは単に偏光と呼びます。また、偏光の電場の方向を、単に偏光の方向と呼びます。
物質に光を当てたときに反射や屈折が起きますが、液晶や今回の固体では、偏光の方向が物質のどの方向に向いているかで、反射率や屈折率が異なります。このように偏光の方向に依存する光の反射や屈折を偏光特性と呼んでいます。

注2)液晶:
棒状(あるいは板状)の分子が集まると、固体と液体の中間の状態を取ることがあります。これを液晶と呼びます。液晶中では棒状分子の向きが揃っています。液晶中を偏光した光が通過するとき、偏光の方向が棒状分子と平行か垂直かで、屈折率が大きく異なります。液晶中の棒状分子の配向方向は電場を印加することで変えることができます。結果として、液晶の偏光特性は電場で制御されます。これを利用したものが液晶ディスプレイです。

注3) シンクロトロン放射光X線:
光と同じくらいの速さで動く電子を磁場で曲げると、電子から電磁波が放射されます。これをシンクロトロン放射と呼びます。電子の運動エネルギーが十分大きい場合は、波長の短い電磁波であるX線も放射されます。このX線は平行性がよく強度が高いなどの優れた特徴を持つため、物質の構造を解析する場合に広く用いられています。

注4) 第二高調波:
ある種の物質に波長λのレーザ光を入力したとき、波長λ/2の光が発生することがあります。発生した光の振動数はもとのレーザ光の倍になるので、これを光の第二高調波と呼びます。この現象は、緑色のレーザポインタなどに応用されています。今回は、波長が0.8マイクロメートルの赤色のレーザを照射して、波長が0.4マイクロメートルの紫色の第二高調波の発生効率を測定しました。