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図4 変異型ミトコンドリアゲノムの蓄積によるミトコンドリア呼吸機能異常が精子形成に及ぼす悪影響

図4 変異型ミトコンドリアゲノムの蓄積によるミトコンドリア呼吸機能異常が精子形成に及ぼす悪影響

 哺乳類の精子分化は、複相の幹細胞である精原細胞から精母細胞が分化し、この精母細胞が減数分裂を起こして単相の精細胞となり、最終的に精細胞が形態変化を伴い精子に分化します。

 ミトマウスの精子数や運動能の減少の原因を探るため、ミトマウスの精子分化過程を観察し、以下のような結論を得ました。

1)精子数の減少は、精母細胞の減数分裂異常による精細胞数の低下に起因すること。
2)減数分裂の異常は、精母細胞における相同染色体の対合異常によること。
3)このような減数分裂異常細胞は細胞死すること。
4)これらの結果は、哺乳類の精子形成における減数分裂にはミトコンドリアからのエネルギー供給が必須であることを示している。
5)精子運動能の低下は、精子のエネルギー欠損だけでなく、精子の異常形態による可能性が高いこと。
6)この結果は、精細胞から精子への形態変化にもミトコンドリアからのエネルギー供給が必須であることを示している。