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<用語解説>

注1)量子井戸 厚さ2-3ナノメートル程度に薄くした半導体層。通常は障壁層と呼ばれる、エネルギーギャップの広い半導体層に挟まれています。ここでは、InGaN量子井戸がGaN障壁層に挟まれています。

注2)エピタキシャル単結晶成長 ある基板の持つ格子の情報(格子のサイズや形態)を引き継ぎながら、その基板の上に単結晶の薄膜を成長させること。

注3)電子の反物質 電子と質量が同じで反対の電荷を持つ粒子(陽電子という)のことで、通常の電子と接触すると消滅(対消滅)し、エネルギーを放出します。

注4)混晶 2つないしはそれ以上の種類の半導体を混ぜて中間的な特性を持たせた結晶のこと。例えば、GaNとInNを混ぜるとInxGa1-xN混晶となります。xは、その混晶にどれだけのInNが含まれるかを示す割合です。

注5)発光再結合寿命、非発光再結合寿命 光の源である電子ー正孔のペアが発光するのにかかる平均的な時間を「発光再結合寿命」、欠陥に捕まって光にならず熱となってしまうのにかかる平均的な時間を「非発光再結合寿命」といいます。発光効率はこれらのバランスで決まります。前者が短く、後者が長ければ発光効率は高くなります。欠陥の量が多くなると非発光再結合が起こりやすくなるため後者が短くなり、発光効率が減少します。

注6)バンドギャップ 半導体中で自由に動ける電子と正孔のペアが持つエネルギーであり、半導体固有の値を持ちます。発せられる光の波長は、このバンドギャップの逆数に比例します。