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【用語解説】

注1)アルツハイマー病
認知機能低下、人格の変化を主な症状とする痴呆性疾患の一種である。日本では、痴呆性疾患のうちでも脳血管性痴呆とともに、最も多いタイプである。

注2)パーキンソン病
ふるえ、動作緩慢、小刻み歩行を主な症状とする病気で、日本人口10万人当たり約100人の患者がいる。発症年齢のピークは、50歳台後半から60歳台で、発症頻度は男女同数である。

注3)筋萎縮性側索硬化症
重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変成疾患である。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する。有効な治療法は確立されていない。

注4)脊髄小脳変性症
運動失調を主要な症状とする神経変性疾患で、推定では10万人に対して5~10人程度と考えられている。遺伝性以外の原因は不明である。

注5)アポトーシス
ヒト等の多細胞生物の体を構成する細胞死の一種。生物体を環境に対して最良の状態に保つために積極的に引き起こされる細胞の自殺行動の一種。癌化した細胞のほとんどがアポトーシスにより取り除かれ、その進行が未然に防がれていることが知られている。生物の発生過程ではプログラムされた細胞死とされ、オタマジャクシがカエルになるときに尻尾がなくなるのもアポトーシスによる。

注6)ネクローシス
壊死とも呼ばれる。血行不良、外傷などによる生体内外での物理的、化学的変化により引き起こされる細胞死の一種。

注7)RNAポメラーゼII
DNAを鋳型としてDNAの塩基配列と相補的なRNAを合成する酵素の一つ。

注8)ポリグルタミン病
遺伝性神経変性疾患の中で、ポリグルタミン鎖をコードするCAGリピートが異常に伸長することによって発症する疾患。これまでに、球脊髄性筋萎縮痒、ハンチントン病、脊髄小脳変性症1型(SCA1)、SCA2、Machado-Joseph病(SCA3とも呼ばれる)、SCA6、SCA7、SCA17、歯状核赤核、淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の9種類の疾患が報告されている。

注9)転写因子
DNA上の、転写を制御する領域に特異的に結合する一群のDNA結合性蛋白質。選択的に転写を活性化したり、逆に不活性化したりする。

注10)PQBP1
異常ポリグルタミン蛋白に結合する新規分子。酵母two-hybrid法を用いてクローニングされた。RNAポメラーゼⅡとスプライシング分子U5-15kDに結合し、転写とRNAスプライシングに関与すると考えられる。

注11)YAP
発ガン遺伝子Yesに結合する因子。細胞死の調節を行う因子と結合する。